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屋上の真ん中に水たまりができて雨漏りする~木造住宅屋上の防水工事~八尾市

2017.08.28

屋上の真ん中に水たまりができて雨漏りする~木造住宅屋上の防水工事~八尾市
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今回は八尾市の、劣化して水たまりができる木造住宅屋上の防水工事を行ない、雨漏りを解消した事例です。

過去にも防水したけど水たまりが出来て雨漏りが再発する

 今回ご依頼いただいたH様邸の屋上は雨漏りのため35年前にウレタン塗膜防水を行なったけれど、さらにその15年後、つまり20年前に雨漏りが再発したためFRP防水を行なったそうです。

その後、屋上の床に水溜まりができるようになり、いつの間にかまた雨漏りが再発していたそうです。

現地にお伺いすると、建物の2階室内の天井にはいたるところに雨漏りの跡がありました。

特に天井中央部は雨が降るとポタポタと水が垂れてきてお困りだったようです。

床のたわみが原因で溜まった水がFRP防水の劣化で階下に浸透していた

屋上の様子を見ると、お聞きしていた通り、中央に大きな水たまりが出来ていました。

おそらく木造の建物が、経年の劣化でたわみ、中央部が凹んできていたようです。

20年前に施工されたというFRP防水層も、表面のトップコート材が剥がれ、内部のFRP樹脂も劣化してきている状態でした。

恐らくこのFRP防水の劣化部分から雨水がしみこみ、2階の天井部に雨漏りしていたと考えられます。

また、2階壁際の雨漏りもひどかったので、立ち上がり周辺を調査すると、ドレーン周辺の防水の劣化や脱気筒の取り付け位置に問題がある可能性がありました。

こちらは工事をしながら状況を判断する必要がありました。

雨漏りだけでなく、普段から屋上を洗濯干しにお使いでしたので、水たまりもできないようにしてほしいとご要望がありました。

既存防水を撤去せず施工できる塩ビシート防水を提案

既存のFRP防水層はかなり劣化が進んでおり、FRP防水の補修工事として一般的な樹脂の上塗りや重ね工法では補修できないほどでした。

また、FRP防水層の上には下地の影響を受けやすいウレタン塗膜防水も避けたほうが良いでしょう。今回は床のたわみもありかなりの下地処理が必要になります。

とはいえ、全て剥がして工事を行うと、それ以上に費用がかさんでしまいます。

今回は、FRP防水層の上に熱で塩ビシートを固定する、機械固定工法での塩ビシート防水をご提案しました。

基本情報

費用
約60万円
工期
約2週間約 20人工

施工内容

  1. 屋上の清掃
  2. 脱気筒の撤去
  3. 脱気筒撤去後の補修処理
  4. 絶縁シート貼り
  5. 鋼板取付け
  6. 塩ビドレーン取付け
  7. ディスク取付け
  8. 塩ビシート敷き
  9. 端部シート貼り
  10. ドレーン周り・立ち上げ部シート貼り
  11. iHヒーターでシート溶着
  12. 脱気筒取付け
  13. シート重ね部分シール処理
  14. 端末部シール処理
  15. ストレーナー取付け

機械固定工法での塩ビシート防水工事の工程

1.屋上の清掃

屋上の洗濯用品や掃除道具を棟屋に収納してもらい、床部のごみや塵を掃除しました。

 

2.脱気筒の撤去 

シート貼りのために脱気筒を取り除きました。

この脱気筒は水のたまりやすい立ち上げ部分に異様に近く、雨漏り原因になっている恐れがありました。

周りをカッターで切って、取り外してみると、脱気筒の下になぜかモルタル部分に達するまで穴があけられており、水が溜まり、浸透しやすくなっていました。

通常、脱気筒は下地の上にのせて設置する物で、決して下地に穴をあけることはありません。

 

3.脱気筒撤去後の補修処理

脱気筒の下の穴と、周囲の切り取った防水層の段差を埋める為、変性シリコンで平らになるように処理を行ないました。

 

4.絶縁シート貼り(中央凹みを解消)

屋上床部と立ち上げ、パラペットに絶縁シートを貼りました。

絶縁シートは、これから行う防水が、下地から化学的な影響を受けないように設置する物です。

接着剤で隙間なく貼り付け、継ぎ目はジョイントテープで固定します。

このとき、中央などの水たまりができやすくなっていたへこみ部分に、絶縁シートを重ね貼りし、屋上床部を平らにしました。

 

5.鋼板取付け

屋上の立ち上げ部の境目や端部などに鋼板をビスで取り付けます。

のちほどこの鋼板に、塩ビシートを溶着剤やライスター(熱風機)で溶着するためです。

 

6.塩ビドレーン取付け

排水口に塩ビ製のドレーンを取り付けます。

鋼板に塩ビ製ドレーンを溶着剤やライスターで溶着固定します。

 

7.ディスク取付け

屋上床部に、鋼板ディスクをビスで取り付けます。この鋼板も後ほど塩ビシートを取り付けるための物です。

 

8.塩ビシート敷き

屋上前面に塩ビシートを敷きます。

 

9.端部シート貼り

塩ビシートの端部を溶着液で鋼板に取り付けます。

 

10.立ち上げ部・ドレーン周りシート貼り

ドレーン周辺、立ち上げ部、パラペットに塩ビシートを貼ります。

うまく手すりの足に回り込むように切込みを入れたり、角部もきちんと覆う事の出来るように折り曲げ方を工夫したりしました。

シートの張り合わせは、主に溶着剤を刷毛で塗って行ないますが、刷毛の入らない隙間はライスターで溶かして貼り合わせます。

 

11.iHヒーターでシート溶着

床部のシートは、円形の小型のiHヒーターでディスクに固定していきます。

12.脱気筒取付け

新しい脱気筒を、以前より、立ち上げ部から離した位置に取り付けました。

シートを丸くくり抜き、脱気筒をビスで固定します。

 

13.シート重ね部分シール処理

シートが重なり合う部分の段差をシール処理しました。

細かい作業用のシールポンプに充填した、専用シール液で丁寧に段差を埋めます。

 

14.端末部シール処理

建物や、サッシとの境界を変性シリコンでシーリングします。

事前に養生を行い、周囲が汚れないようにしておきます。

15.ストレーナー取付け

最後に排水口にゴミが入らないように、ストレーナーを取付けました。

以上で防水工事は終了です。

 

脱気筒の取り付けが悪く雨漏りの原因の1つに

屋上の脱気筒は、屋上の利用に差し障りなくするためか、かなり立ち上げ部分に寄せて端の方に設置されていました。

通常、脱気筒は、屋上の中央などの一番高く水はけのよい部分に設置されます。(今回の屋上は劣化により中央がたわんで凹んでいました。)

低い部分に脱気筒があると、大雨で屋上に水がたまった時、脱気筒の通気口から防水層に水が大量に侵入してしまいます。雨水がかかりやすい場所だとなおさらです。

今回のように脱気筒が立ち上げ部分に寄せて設置されていると、ただですら水が溜まりやすい端部で、さらに手すりやパラペットなどに当たった雨が脱気筒の脱気口に入りやすくなります。

立ち上げ部から少し離して設置しました。

 

防水の前に絶縁シートを重ね貼りして屋上の水たまりと雨漏りを解消

今回は、木造住宅の劣化した屋上防水の上から、機械固定工法で塩ビシート防水を行ないました。

塩ビシート貼りの前に屋上のへこみ部分に、絶縁シートを重ね貼りすることで、水たまりも解消できました。

また、取り付け位置・施工が良くなかった脱気筒も修正しました。

弊社では、既存の防水状況や、建物の劣化状況を調査し、ご予算などを考慮した上、最適な防水工事をご提案させていただきます。

もし、屋上からの雨漏りにお困りでしたら、一度ご相談ください。

 

大阪府八尾市の水たまりができて雨漏りする屋上の防水工事ならヤマナミへ