施工事例
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お寺の塀が色褪せてきた|塗り替えとクラック補修工事 大阪市北区
2020.04.17
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建物の改修後に塀の色褪せやクラックが気になってきた
以前、建物改修などを行った大阪市北区のB寺様から、外塀の補修工事をご依頼いただきました。
改修工事で建物の外壁をきれいにしたことにより、塀についても色褪せやクラックなどの劣化が気になってきたそうです。
塀は建物から繋がっている構造で、コンクリートでできていました。
工事前に一度調査したところ、お客様のおっしゃる通り、深い紺色だった壁が色褪せてグレーになっており、クラックも目立っていました。
クラックは直線的な2mほどの長さのものが10本程度あり、おそらく塀を建てた時の継ぎ目ではないかと思われました。
お客様からは、クラックを直して、色はもともとそうだったように、もっと濃い目の紺色に塗り替えて欲しいというご要望をいただきました。
基本情報
- 費用
- 約25万円 約25㎡
- 工期
- 約8日間 約14人工
施工内容
- エポキシ樹脂充填の下準備
- エポキシ樹脂の注入
- 注射器とシーリングの撤去
- カチオンフィラー下地処理(1、2回目)
- 研磨処理
- カチオンフィラー下地処理(3回目)
- 塗装下地塗布
- 目地の塗装
- 目地のテープ養生
- 塀の塗装
- 吹き付け仕上げ
塀のクラック補修と塗り替え工事の工程
まずクラック補修を行ってから、表面を整えて、塗り替え工事を行います。
梅田の繁華街からほど近く、通行人や車が多いので、常に周囲に気を配りながら作業を行いました。
Ⅰ.クラック補修
クラック補修は、エポキシ樹脂の低圧注入処理という工法で行います。
この工法は簡単に説明すると、エポキシ樹脂を専用の注射器でゆっくり圧力をかけてクラック内部に注入する工事です。
そうすることで、クラックの表面を埋めるだけではなく、ひび割れの内部まで樹脂をしみわたらせて補修後の強度を高めることができます。
1.下準備(シーリングと座金設置)
まずは下準備として、クラック全体をシーリングして塞ぐ作業を行います。
樹脂を注入する前に、クラック表面ふさいでおかないと、せっかく注入した樹脂が溢れてしまうからです。
剥離シールという専用のシーリング剤をくまなく塗布し、樹脂を注入する位置には専用注射器用の座金を取り付けました。
座金は2〜30cmに1つくらいの間隔で取り付けました。
2.エポキシ樹脂の注入
座金にエポキシ樹脂を充填した注射器を取り付け、1日かけて浸透させます。
3.注射器とシーリングの撤去
翌日、注射器とシーリングを撤去しました。
Ⅱ.下地処理
次に下地処理を行います。
クラック表面ガタつきを平坦にし、補修するほどでもなかった細かなひび割れの拡大を防ぐためには、厚みと強度のある素材で重ね塗りしておくことが望ましいからです。
1.カチオンフィラー下地処理(1・2回目)
カチオンフィラーという下地材である程度表面を平坦にして細かいクラック消していきます。
厚みを出すために、翌日もう一層塗りました。
2.研磨処理
固まった表面を研磨します。
コテで塗ったあとのザラザラな質感やスジなどが残ると塗装に影響が出るので、サンダーという機械を使って表面をより平坦にしていきました。
3.カチオンフィラー下地処理(3回目)
研磨後にもう一度カチオンフィラーを塗ります。
表面がなめらかになるように、1,2回目に比べて柔らかく練ったものを使い、丁寧に整えながら塗っていきました。
Ⅲ.塗装
最後の塗装を行います。
お客様のご希望の紺色の水性シリコン塗料を用意し、目地には白色を用意しました。
1.塗装下地塗布
塗装下地となるシーラー材を塗布しました。
シーラー材を塗布することで、塗料の定着がよくなり、塗りムラや施工後の劣化を防ぐことができます。
2.目地の塗装
先に目地に塗料を塗ります。
刷毛を使って、液だまりしないように丁寧に作業を行いました。
3.目地のテープ養生
紺色の塗料を塗る前に、白い目地が汚れないようにテープで養生を行います。
4.塀の塗装
塀全体に塗料をローラーで塗っていきます。
ムラができないよう均一に上から順に塗っていきました。
5.吹き付け仕上げ
表面にザラザラ感を出すために吹き付け仕上げを行いました。
もともとつや消しタイプの塗料ですが、この工程を入れることで色に深みが出るので、塀だけでなく外壁塗装でもよく使われる工法です。
最後に目地の養生を剥がして作業は完了です。
色褪せてひび割れたお寺の塀が美しく蘇った
お客様は「キレイになりましたね!」とお喜びでした。
また、後から聞いたところによると、繁華街が近いせいか酔っ払った人などに壁を汚されることもあったそうで、「このままの状態を保てるといいですね。キレイになったら汚す人も少なくなると思うので少し安心です。」とおっしゃっていました。
塀のクラックを放置すると崩落などの危険があるほか、この事例のように色褪せたままにしておくと「古くなってるし汚してもいいや」という気持ちを誘発してしまう可能性もあります。
ですので、塀が劣化してきたときはできるだけ早めに補修を行われることがおすすめです。