施工事例
works
約970㎡ビル屋上の塩ビシート機械固定防水工事! 大阪府高石市
2025.08.04


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地域 :高石市S施設
建物の種類:SRC造2階建て
築年数 :約30年
工事の種類:塩ビシート機械固定防水工事
施工箇所 :屋上
施工範囲 :約970㎡
作業人員 :約100人工
基本情報
- 工期
- 約1か月間
施工内容
- 塩ビシートのディスクビスの引っ張り強度検査
- 絶縁シート張り
- ディスク取り付け
- 鋼板取り付け
- エポキシ樹脂充填
- ビス取り付け
- シート張り
- ヒーター接着
- シートジョイントシール
- 脱気筒取り付け
- ディスクIHヒーター接着
塗装業者さんからのご紹介で、プール施設の屋上部にある塩ビシート防水工事を施工した事例です。
雨漏りが発生していますが、施主様の手元に施設の記録資料が残されておらず、過去の防水工事の履歴がわかりません。
現地調査の結果、一度防水工事をやり替えている可能性はあるようです。
既存の防水はアスファルト防水ですが、下地に何を使っているかわかりません。
室内プールの天井から確認するとALCでしたが、このALCと既存アスファルト防水の間の素材が不明です。
そこで塩ビシートのディスクビスの引っ張り強度検査を事前に行って、現地調査をきちんと行ってから本工事に入りました。
塩ビシートのディスクビスの引っ張り強度検査は、既存のアスファルト防水の表面に穴をあけて樹脂を入れ、アンカーを入れて3日ほど置いた後、機械で引っ張ります。
これを3か所で実施して、引っ張りに対する強度を数値で計って明らかにする検査です。
1. 塩ビシートのディスクビスの引っ張り強度検査
既存アスファルト防水の状態です。
ひび割れが多数あり劣化しています。
環境によって左右されますが、アスファルト防水の寿命は一般的に20年程度です。
別の角度から撮った既存のアスファルト防水です。
こちらもひび割れが多数あり、雨漏りの原因にもなっています。
引っ張り強度検査を行う位置を決めます。
検査は穴をあけるので、この場所をプロがきちんと見極めます。
検査するための穴あけビスを取り付けます。
引っ張り検査を行う検査機を設置します。
※検査3日前にアンカービス(エポキシ樹脂注入共)を取り付けています。
引っ張り検査を行い、強度がわかりました。
これで適切な工事を施工できます。
2. 絶縁シート張り
絶縁シートを貼ります。
今回新しく塩ビシートを施工するので、既存のアスファルト防水の成分が新しい塩ビシートに移ってしまわないようにすることが目的です。
アスファルト防水の成分が塩ビシートに移ると悪影響があるため、きちんと保護しなければいけません。
絶縁シートは、ベッタリと貼りつかない仮固定用のボンドを使っています。
3. ディスク取り付け
絶縁シート張りが終わったら、絶縁シートと次に貼る塩ビシートを固定するためのディスクを取り付けます。
施工の手順は、穴あけ→掃除→エポキシ樹脂充填→アンカー取り付け→ビス固定です。
今回の工事では、ディスクを9,000個ほど使用しました。
場所によって必要な強度が異なるので、周囲はピッチを小さくして強度を増やし300~600mm程度のピッチで取り付けています。
画像のように、強度が必要な部分は小さいピッチでディスクを取り付けていきます。
4. 鋼板取り付け
絶縁シートと次に張る塩ビシートを固定するために、鋼板も取り付けます。
端部は浮きやすいので、ディスクではなく鋼板で固定します。
5. エポキシ樹脂充填
ビス穴にエポキシ樹脂を充填しているところです。
6. ビス取り付け
エポキシ樹脂の充填が終わったので、ビスを取り付けます。
これで絶縁シートの施工は完了です。
7. シート張り
端から塩ビシートを貼っていきます。
塩ビシートの施工では空気の層を作り脱気筒(だっきとう)で湿気を抜くため、接着剤は全面には使いません。
ヒーター接着と、ジョイント部分は溶着材を使用します。
写真のように、塩ビシートを端から丁寧に施工していきます。
屋上部分全体に塩ビシートを施工しています。
屋上の立ち上がり部分にシートを貼っている様子です。
8. ヒーター接着
立ち上がり部分に塩ビシートを貼ったら、鋼板に溶着材で固定してすき間がないか機器でチェックします。
必要に応じて、ヒーターで接着します。
9. シートジョイントシール
塩ビシートの継ぎ目には、ジョイントシールを施工します。
雨水などを排水する「ドレン」は、改修用のドレンをあらかじめ入れています。
10. 脱気筒取り付け
防水層に溜まった湿気を逃がす脱気筒を設置し、その周囲の塩ビシートをヒーターで接着している様子です。
11. ディスクIHヒーター接着
取り付けてあるディスクの位置で塩ビシートに熱を加え、接着している様子です。
ヒーター接着することで、塩ビシートとディスクが接着されます。
取り付けたディスク1つずつの位置にヒーターで熱を加え、塩ビシートを固定していきます。
すべての施工が終わり、仕上がった状態です。
屋上全体にしっかり施工しました。
970㎡ほどの屋上全体に防水工事を行いました。
アスファルト防水よりも見た目がすっきりしています。
今回のビルは近隣3方向をマンションに囲まれているので、見た目も大切です。
まとめ
今回は施工履歴が不明で、図面にも載っていない下地の調査も行いました。
長いビスでエポキシ樹脂を入れ、しっかり施工しています。
天井にALCが見えていましたが、ALCは建物の揺れに応じて少し動く性質があります。
上に張られた防水層も一緒に動いてしまうので、今回の塩ビシートは柔軟性・追従性のあるものを使いました。
今回のビルはマンションに囲まれており、音が反響してしまいます。
近隣へのご迷惑を最小限にするため、土日は作業をせず平日の作業時も話し声は最小限に抑えるといった配慮も欠かしません。
昔の防水工事では、アスファルト防水をめくり再度アスファルト防水する工事業者が多かったものです。
しかし廃材が出ることや、アスファルトをめくるとその工事期間に雨漏りするリスクが発生します。
昨今では、今回のような塩ビシートの機械固定の工法が出ています。
これは既存アスファルトをめくらないので、廃材が少なく工期短縮にも効果的です。
工事期間中の雨漏りリスクを避けることができ、上から張ることで将来もう一度同じ防水工事もできます。
防水工事の結果雨漏りが止まり、今後10~20年は安心です。
ヤマナミでは10年保証サービスがありますので、安心してお任せいただけます。
〇 屋上の防水工事
〇 ベランダの防水工事
〇 バルコニーの防水工事
など、当社で防水工事を実施させていただいたお客様に、防水市場(株)ヤマナミ独自の10年間の防水保証をお付けしています!