施工事例
works
築50年の鉄骨3階建てベランダ破損による雨漏り!ご希望によりFRP防水を施工 大阪市浪速区
2025.11.26
-
before
-
after
地域 :大阪市浪速区
建物の種類:鉄骨3階建て
築年数 :約50年
工事の種類:FRP防水・補修共
施工箇所 :ベランダ部
施工範囲 :約9㎡ 2箇所
作業人員 :約6人工
基本情報
- 費用
- 約20万円
- 工期
- 約4日間
施工内容
- 現状調査
- 面取り・Vカット
- プライマー材塗布
- 樹脂モルタル成形処理
- 土間の補修・ドレーン施工
- FRP樹脂・ガラスマットの施工
お付き合いのある塗装屋さんからのご依頼で、外装塗装とベランダの防水工事をさせていただいた事例です。
建物は鉄骨3階建てのお家でベランダは2階と3階の2か所あり、室内に雨漏りが発生しています。
既存の施工はモルタルで破損個所が多く、雨漏りの原因になっていると考えられます。
ご依頼主様が「FRP防水」をご希望ということで面取りなどを行い、防水や補修といった処理を行いました。
FRP防水(繊維強化プラスチック)は液状のポリエステル樹脂にガラス繊維マットを組み合わせて硬化させるもので、軽量かつ高い強度と耐久性のある防水層を形成できる工法です。
ご依頼主様がFRP防水をご希望された理由は、元々ご存じで良いイメージがあるからだそうです。
ベランダの防水工法ではFRP防水・ウレタン防水が代表的で、どちらも良い工法です。
弊社防水市場((株)ヤマナミ)では、より揺れに追従しやすいウレタン防水を採用することが多いですが、今回はべランダのサイズがコンパクトでFRP防水も適していますので、ご希望通りFRPで施工いたしました。
1.現状調査
過去の工事の形跡については、建物の所有者は過去に何度か変更がありいつから雨漏りがあったかわかりません。
外壁は過去に塗装し直したそうですが、雨漏りは解消していないそうです。
ベランダについては、過去に補修などの工事は何もしていません。

写真は3階のベランダです。
モルタル造りのベランダは多数で破損個所があり、立ち上がり部分や土間にクラックがあります。
モルタルの下層に施工されている元々の防水は、アスファルト防水かゴムシート防水が想定されます。

こちらは2階のベランダです。
2階のベランダは排水口がなく、垂れ流しタイプとなっていました。
「垂れ流し」とは外に流れ出る形状のことです。
屋根のように雨水は流れますが、ベランダ部分に立ち上がりはありません。

こちらは3階ベランダの排水口です。
タテ型のもので、こちらは樋(とい)に繋がっています。

立ち上がり部分のモルタルも、写真のように破損している個所が多く確認できます。

建物の外観はこのように線路沿いです。
電車が通る振動などで、建物の揺れが想定されます。
2.面取り・Vカット

FRP防水は鋭角な角に対応できず、角部分は丸みをつける必要があります。
そこで、入隅と出隅に面取りを施工していきます。
ヒビ(クラック)部分はV字に削り取る「Vカット」を施して、密着性を高めます。
3.プライマー材塗布

V字カットした部分に、プライマー材を塗布しているところです。

土間のクラックや目地部にも、プライマー材を塗布していきます。
4.樹脂モルタル成形処理

こちらは3階のベランダ部分に樹脂モルタルの成形処理を行っているところです。
5.土間の補修・ドレーン施工

土間部分にはシール処理を施工しました。
こちらは大きなクラックがないので、シール処理で対応可能です。

土間にもプライマー材を塗布していきます。

改修用ドレーンを取り付け、排水機能を付けていきます。
6.FRP樹脂・ガラスマットの施工

FRP樹脂とガラスマットを施工しているところです。
ガラスマットは空気が入りやすいので、FRP樹脂とガラスマットをなじませるように、泡を抜きながら作業していきます。
この作業がきちんとできていないと、内部に空気が入り後で割れる恐れがあります。
FRPの強度も落ちてしまうので、FRPの良さを出すことができません。

立ち上がりの天端(てんば)にもガラスマットとFRP樹脂を施工していきます。
端の部分は、外壁にも少し施工するようにしてなじませていくことがポイントです。

FRP樹脂の2層目を塗布しているところです。
FRP防水では、ガラスマットが1層、樹脂は2層で施工していきます。

ガラスマットを含むと表面に多少の凹凸ができますので、平滑になるよう研磨処理をしているところです。
紙やすりや紙やすりのグラインダーを使い、手で触りながら出っ張っているところを丁寧に削ります。

最後にトップ材を塗布します。
トップ材は2層塗りで仕上げています。

こちらが仕上がりです。
凹凸もなく、綺麗に仕上がりました。
まとめ
工事の結果雨漏りも止まり、綺麗に施工することができました。
今回の建物では下地の割れが大きく、シーリングでは対処しきれません。
しっかりと樹脂モルタルを施工して、破損部分を補修いたしました。
今回のように築50年が経過していると、最初は小さかったクラックも大きくなっているケースが多いです。
クラックが小さなうちに対処する方が建物が長持ちするので、「おかしいな?」と思ったら早めに対処することをおすすめします。
FRP工法は、今回の建物では条件が合致していましたが、建物によっては最適ではないこともあります。
より良い補修にするためにも、専門業者にどの方法が最善かアドバイスをもらう方が良いでしょう。
