築２０年程の鉄骨造5階建てハイツの雨漏り修理　大阪市　Kハイツ(前編)

2015.09.14

屋上から雨漏りがある

今回は大阪にある築２０年程の鉄骨造5階建てハイツ。
５階の最上階の一部から雨漏りがあったから、今後の建物の維持の事も考慮して防水工事をして欲しいと、オーナー様から直接のご依頼を頂きました。

雨漏り箇所の特定

最上階の雨漏りは屋上からの可能性が高いので、屋上を調査したところ、コンクリートの劣化が進んでおり、 比較的大きなクラックが多数ありました。
また塔屋部にもクラックが多数ありました。
所々で小規模な補修を行っていた跡がありましたが、シッカリとした修繕工事は行っておられなかったようです。
このクラックが雨漏り原因の１つです。
また、もう2箇所気がかりな箇所がありました。

雨漏りしやすい箇所

雨漏りの気掛かりな箇所とは、パラペット部分と屋上の排水口です。
※パラペットとは屋上の立ち上がり部分のことです。

パラペットには雨水が入り込まないようにするために、笠木(かさぎ)と呼ばれる仕上げ材を被せるように取り付けてあります。
ただし、笠木を取り付ける為に、無理矢理モルタル等でカサ増しを行い、下地がシッカリと出来ていないことが多いので、雨漏りの多い箇所の１つです。

また、屋上の排水口から雨漏りの多い理由は、屋上コンクリート等のひび割れや排水口のサビ等の劣化により、排水口とコンクリートの間に隙間ができます。
この隙間から雨水が浸入し、雨漏りすることが良くあります。 

下地補修の流れ

工事前の現状で、クラックが多く発生し、シール補修や部分的に防水材が塗られてありました。

塔屋部の工事前の状態です。
笠木が錆び、クラックも多数ありました。

パラペットの笠木を取り外しました。

パラペット笠木がついてた箇所の下地の状態です。
外壁ALC板の上にモルタルにてカサ上げをしており、カサ上げした部分に隙間があります。
ここから雨水が浸入します。

先程のパラペットの別箇所です。
このようにクラックが多数あり、漏水の原因箇所でした。

パラペットのクラックに補強弾性エポキシ樹脂を注入し、シール処理をしています。

塔屋パラペットのクラック部へも、補強弾性エポキシ樹脂を注入して、シール処理を施しました。

使用していない室外機があったので、これは撤去させて頂きました。

既存の塗膜防水層を捲ってます。
これをしないと、新たに塗布する防水材の定着が悪くなるだけでなく、割れの原因になります。

塔屋部の巾木(はばき)の破損状況です。
大きなクラックなので、これも漏水の原因です。

先程の破損箇所にシール処理を施し、割れなどに強い樹脂モルタルで成形処理しました。

パラペットの角を丸く削っています。
FRP防水は角張っている状態ですると、角部分の層が薄く強度も低くなってしまうので、
角を取って層が形成しやすくなるように加工します。

屋上にあるタテ型排水口の状況です。
周辺のコンクリートが破損しており、内部の鉄部も劣化しております。

排水口に改修用ドレンを取り付けました。
排水口周辺からの漏水はこれで止まります。

弾性エポキシ系シール材でシーリング処理を屋上のクラック全てに施しました。

FRP防水を施す為に、設置しているフェンスを仮設台に乗せていきます。
フェンスは全てジャッキで上げています。

これで、Kハイツの下地補修は完成です。

次の記事で、FRP防水工事のご紹介をさせて頂きます。
→　屋上から雨漏りでFRP防水工事　大阪市　Kハイツ(防水塗装編)

ヤマナミから一言

今回の施工でのポイントは、雨漏り原因箇所の多さです。
パラペットのカサ増し箇所の隙間、パラペットのクラック、屋上床部のクラック、塔屋部のクラック、排水口部の劣化箇所。
コンクリートの屋上はクラックとの戦いなので、定期的に防水工事をすることによって雨漏りのリスクを大幅に減らす事が可能です。
また、それだけでなく、1回の大規模な防水工事よりも定期的なメンテナンスを兼ねた防水工事をする方が、結果的に修繕費用が安く済むというメリットがあるので、少し劣化してきたかな…。
と思ったら、信頼できる業者様に調査と点検をしてもらうことを強くお勧め致します。
関西で調査や点検をご希望の方は、株式会社ヤマナミにご相談ください。 

→　雨漏り調査と点検は、大阪の株式会社ヤマナミにお任せください。