施工事例
works
銭湯の貯水タンク内の防水補修工事|階下のボイラー室に水漏れ 兵庫県伊丹市
2020.05.13
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RC造りの貯水タンクから水漏れしているので補修したい
兵庫県伊丹市の銭湯の貯水タンク防水の事例です。
全体的な改装工事の一環として、以前から水漏れがあった貯水タンクの工事も行いたいとのことで、工務店経由でご相談いただきました。
銭湯は築30〜40年の木造モルタルで、建物の一部に設置されたタンク部分のみRC造りでした。
タンクは2階部分にあり、天井はトタン屋根、階下はボイラー室。このボイラー室に以前から水漏れがあったようです。
現地にお伺いした際、すでに水は抜かれた状態で、内部を拝見すると、10箇所程度のひび割れや破損がみられました。
経年劣化によるクラックから水が入り、さらに傷んで割れて亀裂が大きくなり、階下への漏水にもつながっていたようです。
ご依頼主様は以前に、ご自身でも修繕を試みられており、ある程度の知識をお持ちでした。
その上で、施工内容などしっかり聞いて納得され、「安心して依頼できそうです」と弊社へのご依頼を決めてくださりました。
基本情報
- 費用
- 約50万円 約50㎡(床1面・壁4面)
- 工期
- 約5日間 約15人工
施工内容
- 清掃
- 破損部周辺はつり
- 樹脂モルタル充填
- エポキシ系カチオンフィラー下地処理
- ポリマーセメント防水材塗布
- 下塗り用エポキシ樹脂塗布
- 上塗り用エポキシ樹脂塗布
貯水タンク補修工事の作業内容
工事の内容を紹介します。
1.清掃
最初に、タンク内の清掃を行います。
クラックから剥がれ落ちた破片や、沈殿していた井戸水の成分が乾燥したものなどを集めて処分しました。
2.破損部周辺はつり
タンク内部のクラックなど破損部分周辺をはつり(叩き割って撤去する作業)ます。
なぜかというと、まだ完全に割れていなくても劣化してきている部分をそのままにしておくと、防水後にその部分が剥がれて防水の機能を損ねる可能性があるからです。
今破損している部分周辺の、割れそうな部分を先に取っておくことでそのような事態を防ぐことができます。
まだしっかりしているところは無理に剥がさず、軽く叩いて剥がれ落ちる部分を根気よく撤去していきます。
3.樹脂モルタル充填
前工程で、はつって凹んだ部分を埋めるために、樹脂モルタルという補修剤を充填します。
樹脂モルタルは、外壁補修などに使用する強度の高い素材です。
コテで押し込むように充填したあと、表面を整えます。
4. エポキシ系カチオンフィラー下地処理
防水前に、補修部分含めタンク内を一度平坦に整えるため、下地調整を行います。
エポキシ系カチオンフィラー下地調整剤を全体に塗布しました。
5.ポリマーセメント防水材塗布
タンク内にポリマーセメント防水剤を塗布します。
ポリマーセメント防水を施すことによって、強度をたかめ、新たな割れを防ぎ、既存の割れが進行するのを防ぐことができます。
プライマー(専用下地剤)を塗布した後、2層重ね塗りしました。
閉鎖的な場所だとなかなか乾かないので、早く乾くようにサーキュレーターを稼働しました。
6.下塗り用エポキシ樹脂塗布
仕上げはエポキシ樹脂というプールなどにも使用する防水材を塗布します。
この防水材の特徴は、ずっと水が入っている場所でも機能し、飲み水にも対応できるというところです。
まずは下塗り用の樹脂を塗布しました。
7.上塗り用エポキシ樹脂塗布
次に、上塗り用の樹脂を塗り作業は完了です。
乾くと硬くなりますが、念のため水を入れるまで1週間ほど置きます。
工事後は貯水タンクからの水漏れがなくなった
工事後、水を入れたところ、階下への漏水がなくなったとご報告いただきました。
タンクにもいろいろありますが、このように、建物と一体となったタンクの場合、経年劣化等で、破損部分から水が漏れると良くないですし、さらに気づかないうちに建物内部に水が回ってしまうこともあります。
気づかず放置すると広範囲の水漏れを起こす可能性がある他、地震などで崩れやすくなり非常に危険です。
工事も大規模なものになり、コストもかさみますので、水漏れがあった時だけでなく、定期的な点検と念入りな防水工事をしておくことがおすすめです。