施工事例
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油まみれの水が溜まったエレベーターピットの排水および防水工事|大阪市淀川区
2023.02.10
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地域 :大阪市淀川区
工事の種類:エレベーターピット防水工事
施工箇所 :エレベーターピット
建物の種類:鉄骨5階建て
築年数 :約30年
広さ :約16㎡
人員 :約8人工
基本情報
- 費用
- 約35万円
- 工期
- 約4日間
施工内容
- エレベーターピット内の溜水の排水・高圧洗浄
- 入隅部や金具部への止水セメント処理
- プライマー材の塗布
- 取り合い部へのシーリング処理
- エレベーターピット用防水材の塗布(1層目・2層目)
- エレベーターピット用トップ材の塗布
大阪市淀川区にある某ビルのご担当者様より、「エレベーターピットの中に水が溜まっている」というご相談をいただきました。
ビルは5階建て、築年数は30年ほどだそうです。
毎月、管理会社様によってエレベーターの点検をするそうですが、そのたびにピット内に溜水が確認され、その量がどんどん増えてきていて心配になっているとのことでした。
現地調査に伺ったところ、上の写真のように、深さ5~10cmほどの溜水が確認できました。
また溜水には多量の油(エレベーターの潤滑油)が混じっており、黒く浮いている状態でした。
通常のエレベーターピット内溜水の処理⇒防水工事よりも、洗浄をしっかり入れなくてはいけません。
現地調査完了後にお見積書を提出させていただき、工事に至りました。
今回のエレベーターピット内の防水工事の流れ
では、今回のエレベーターピット内の防水工事の流れを説明いたします。
【1】エレベーターピット内の溜水を処理し、ピット内を高圧洗浄する
まずは、エレベーターピット内の油混じりの溜水を排出しました。(油は、エレベーターの金具に使用されている潤滑油が溶け出したもので、長く浸水が続いているケースでよく見られます)
バケツで汲んだり、スポンジで吸い取ったりといった方法で、水の量を減らしていきます。
水には油が混じっているため、そのまま下水として流すことはできません。業者に依頼し、産業廃棄物として引き取ってもらいました。
排水が完了したら、油分で汚れたエレベーターピット内を、高圧洗浄機で洗浄していきます。
この洗浄機から出る水も、洗浄が完了次第、汲み上げて処理しました。
【2】入隅部や金具の付け根などへ、止水セメント処理を行う
今回のエレベーターピットへは、入隅部や金具の付け根などから、水が滲み込んでいるものと推測されました。
そこで、入隅部や金具の付け根を重点的に、止水セメントをしっかりと厚みを持たせて塗っていきます。(止水セメント材は、隙間からの水の浸入を防ぐ材料です)
この止水がしっかりしないことには、次の防水工事ができません。
止水セメント処理翌日に、水が新たに滲みていないのを確認してから、防水塗装の工程に移ります。
【3】エレベーターピット内にプライマー材を塗布する
ここから、防水層を作っていきます。まずは、エレベーターピット全体に、プライマー材を塗布しました。
プライマー材には、下地と後に塗る塗料をよく密着させる役割があります。
【4】構造が切り替わる部分(境目)へシーリング処理を行う
今回のビルは、地下ピット部分がRC・(1階以上の)外壁がALCという構造でした。
これら構造の取り合い部からも水が滲みている可能性があったため、シーリング材で隙間を埋めておきます。
【5】エレベーターピット用の防水材を2回塗る
プライマー材の塗布後、エレベーターピット用の防水材を、ゴムごてを使い平滑・均一に塗りました。
エレベーターピット用の防水材は、エレベーターピット内側の水分だけでなく、外側からの水分にも強いという特性を持っています。
エレベーターピット内の防水1層目が完成しました。
続いて、エレベーターピット用防水材の2層目を塗っていきます。
ゴムごてでは塗りにくい凹凸部分は、小さめのハケを使って塗りました。
【6】エレベーターピット用トップ材で防水層を仕上げる
防水層の仕上げに、エレベーターピット用のトップ材を塗っていきます。
エレベーターピット用のトップ材は溜水に強く、万が一溜水が再発した時にも防水層を保護してくれる役割を持っています。
以上で、今回のエレベーターピット内の防水工事は完了です。
まとめ
今回の作業では、油にまみれた水をきちんと排水することと、止水セメントで水の浸入をしっかり防ぐことが1番重要であり、大変な部分でもありました。
また、作業はビル内企業の定休日である日曜日・月曜日に、2週にわたって(計4日間)で行わせていただいています。
油が混じった水の排水は、記事内で述べたように産業廃棄物として特別に処理する必要が生じるために、どうしてもお金がかかってしまいます。
エレベーターピットの溜水は油が溜まらないうちに、なるべく早く排水処理・防水工事を依頼することが望ましいです。
ベストなのは、エレベーターの毎月の点検時にシミを発見次第、防水工事を行うことでしょう。