施工事例
works

膨れるバルコニーの床を下地を固めてFRP防水工事|防滑シートも使用 池田市

2023.05.23

膨れるバルコニーの床を下地を固めてFRP防水工事|防滑シートも使用 池田市
  • before

    before
  • after

    after

地域   :大阪府池田市
工事の種類:FRP防水工事・補修工事
施工箇所 :2階バルコニー部
築年数  :約15年
建物の種類:木造2階建て
広さ   :約8㎡
作業人員 :約8人工

基本情報

費用
約18万円
工期
約4日間

施工内容

  1. 防水層の膨れをカットする
  2. 凹部分を中心に下地を調整する
  3. プライマー材を塗布する
  4. ガラスマットを敷きながら、FRP樹脂1層目を塗布する
  5. FRP樹脂2層目を塗布する
  6. トップ材を塗布する
  7. 防滑シートを敷き込む(裁断・転圧・シーリング)

大阪府池田市にお住まいのO様より、「2階のバルコニーの床が膨れています」とご連絡をいただきました。
O様邸では、6~7年前にもバルコニー床の防水層の破損(ひび割れなど)が発生し、下地の補修および防水工事を行ったことがあります。


現場の調査にうかがいました。6~7年前に劣化したところと、同じような部分が今回も劣化(防水層の膨れなど)していました。
同じ部分ばかり劣化が進むのは、建物の構造的にそこが弱い部分で、建物の揺れの影響などを受けやすいからではと推測できました。
また、庇(ひさし)があるものの、現場はテラスのために熱が溜まりやすく、防水層の劣化を早めている可能性があります。

そこで今回は、1度下地ボードまで既存の防水層を剥がして、下地を補修・補強し、FRP防水を全体に施すうえで、仕上げに防滑シートをはる工事を行うことになりました。

今回のバルコニーFRP防水+防滑シート工事の流れ

以下で、今回のバルコニーFRP防水+防滑シート工事を解説します。

【1】膨れている防水層(2層とも)をグラインダーでカット


まずは既存防水層を、膨れている部分より少し広めにカットしていきます。
カットには、グラインダーという機械を用いました。
今回は、新築当初の防水層と、6~7年前に施工した防水層の2層ともをめくります。
防火用のケイカルボードが露出するまで、劣化した部分の防水層はしっかりカットです。


白っぽく見えているのが、ケイカルボード。他の茶色っぽい部分は、以前の工事で使用した下地調整材です。

【2】下地を調整して、カットしてめくった部分の段差を解消する


下地補修の段階です。
2層ぶんの防水層をカットした部分は、あきらかな段差ができているため、他の部分と平滑になるように、凹部分に下地調整材を刷り込んでいきます。
下地調整材として使用しているのは、硬く割れにくいことが特長の樹脂モルタル。刷り込み作業には、コテなどを用いました。

【3】プライマー材を塗布する


FRP防水工事専用のプライマー材を、バルコニーの床全体に塗布しました。

【4】ガラスマットを敷きながら、FRP樹脂1層目を塗布


ガラスマットを敷きながら、その繊維に馴染ませるようなイメージで、FRP樹脂の1層目を塗っていきます。
防水層のなかにガラスマットが入ることによって、防水層の強度がアップします。

注意点は、飛散するガラスの繊維を作業員が吸い込まないことです。マスクをして、作業にあたります。
また、お客様の家の中を通ってガラスマットを運ぶ必要があったので、ガラスの繊維が家の中に飛ばないよう、大きなビニール袋でしっかり包んで運びました。

【5】FRP樹脂2層目を塗布


FRP樹脂の1層目が乾いたら、FRP樹脂の2層目を塗っていきます。
写真では写っていませんが、バルコニー床の立ち上がり部分も同様に作業をしています。

【6】トップ材を塗布していく


バルコニーの床全体に、グレーのトップ材を塗りました。
通常の防水工事でトップ材を仕上げ(1番上の層)にする場合、滑り止めの骨材(細かい砂のような見た目の粒子)を入れます。
今回はさらに防滑シートを施工するため、骨材は入れずに、ツルツルの状態で仕上げました。

【7】防滑シートを敷き込む

トップ材が乾いた後、防滑シートを敷き込みます。
これは、6~7年前の防水工事ではなかった作業です。
防滑シートにより防水層が露出しないことで、防水層を雨や直射日光、熱などから守ることができ、防水層が長持ちしやすくなります。
見栄えがよくなり、歩行もしやすいです。


ボンド剤で、防滑シートを固定している様子です。
ボンド材を塗布し、少し時間をおいて手に付かないくらいになってから接着を行います。

ボンド剤は、立ち上がりなど余計なところを汚さないようにしながら、均等に塗ることを意識します。


シートとシートを突き合わせて、裁断している様子です。
継ぎ目はすべて、シーリングで仕上げました。


防滑シートの転圧作業を行います。
硬い防滑シートをバーナーの火で温めて柔らかくしながら、ローラーで上からグッと押さえて、シートを床に密着させます。
このやり方だと、防滑シートの端のほうまで綺麗に仕上がります。
バルコニーの床の排水部分(溝)には、防滑シートは施工しません。


防滑シートの端末は、シーリングで仕上げました。


以上の工程をもって、今回のバルコニーのFRP防水+防滑シート工事は無事に完了です。

まとめ

2階のバルコニーが、建物の構造的に弱い部分だと分かったので、前回の防水工事よりもカッチリと下地を固めて防水工事を行いました。
もともと雨漏りなどはなかったお家ですが、防水層は今のところ問題なく機能しているそうです。お客様も安心されていました。

建売のお家では、設計の都合でバルコニーが構造上弱くなっていて、防水層の劣化が進みやすいことがまれにあります。
下地が少なかったり、池を埋め立てた地盤の弱いところに家を建てた場合も同様です。

バルコニーの床の膨れやめくれに気付いたら、早めにプロに相談しましょう。
放置していると、雨水などが建物の構造部分に染み込み、傷んでしまいます。木造住宅の場合は、特に注意が必要です。

⇒ 池田市などでバルコニーの床の膨れやめくれを何とかするなら『防水市場(株)ヤマナミ』にご相談ください。