施工事例
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築60年ホテルの保証工事|表面を平らにして屋上にできる水たまりを解消 大阪市北区
2023.12.18
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before
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after
地域 :大阪市北区
工事の種類:防水補修工事 ※保証の範囲
建物の種類:鉄骨4階建て
築年数 :約60年
人工 :約4人工
施工内容
- 屋上の窪み(2箇所)をウレタン防水材などで均す
- 配管下の隙間を塞いで、シーリング・トップコートを施す
5~6年前に、屋上全体にウレタン塗膜防水工事(通気緩衝工法)をさせていただいた、大阪市北区のホテル様より、「屋上の床の一部に溜水が発生する」と連絡をいただき、現地まで確認に伺いました。
躯体の問題で水が溜まってしまうようなので、本来は保証の範囲外です。
しかし、長年お付き合いしていただいているということもあり、今回は保証の範囲内として、防水補修を行うことに至りました。
床面の下がっている箇所を確認し、少し広めに防水の範囲を決め、ウレタン塗膜防水を塗り重ねて、床面のかさ上げを行いました。
その後、溜水は軽減されました。
そして別件で、「降雨が強い日だけ雨漏りが発生する部屋がある」とうかがいました。
水張検査の結果、配管が多く設置されていて下部に隙間がある箇所が怪しいと判断し、実際そこにある程度水が溜まると、件の部屋の天井から水が漏れ出しました。
配管下部の隙間への防水処理は難しいため、まずは隙間に発泡ウレタン材を充填して、隙間を埋めました。
それから、シーリング処理とトップ仕上げを施しました。
その後、水漏れは無事に止まりました。
今回の防水補修工事の流れ
それでは、今回の防水補修工事の流れを説明いたします。
先にも述べましたが、屋上に水溜まりができる原因は、屋上の床面に目では見えないくらいの窪みがあるからでした。
歩行によるすり減りや、築年数が経った鉄骨造の建物によく起こる、梁が通っている部分以外の下降などが、窪みの原因です。
【1】屋上の窪み(2箇所)をウレタン防水材などで均す
緑の養生テープで囲ったなかに、目では見えないくらいの僅かな窪みがあります。
枠内にウレタン防水材を流して、ハケで広げ、レベリング(防水材が流動して、平らで滑らかな塗膜ができる性質)させ、周囲と馴染ませます。
窪みの周囲に段差ができないように、丁寧に均していきました。
トップコート材を、一定の厚みで塗りました。
もう1箇所の窪みについても、同様に補修を行いました。
【2】配管下の隙間を塞いで、シーリング・トップコートを施す
雨漏りの原因と考えられた、配管箇所です。
このような隙間があり、大雨になると配管と壁の付け根部分から、溜まった水が部屋に漏れていくのではないかと、推測できました。
ハケが入らないような狭い隙間なので、まずは発泡ウレタン材を用いて、この隙間を塞ぐことにしました。
発泡ウレタン材は、固まるまで時間がかかります。
充填してから徐々に膨らんでくるので、その膨らみ具合を見ながら、充填量を調整していきます。
充填時に発生するガスはしっかり抜かないと、この後に施工するシーリングがうまく密着しないので、気を付けました。
シーリング材を充填しました。
差し込んでいるノズルは、ガスを抜くためのものです。
数日このまま置いて、しっかりガス抜きをします。ガスが抜け切ってから、シーリングを仕上げました。
トップコート材を塗布しました。
以上の工程をもって、今回の防水補修工事は完了です。
まとめ
今回の防水補修工事の結果、屋上の溜水は軽減され、特定の部屋への雨漏りは無事に止まりました。
お客様からは、「屋上の水溜まりについては、原因が以前の防水工事ではないのに、保証の範囲内(無償)で工事をしてくれて、とてもありがたかったです。また気になっていた雨漏りも、原因が分かって解決できてよかったです」といった旨のお声をいただきました。
工事で難しかったところは、水溜まりの件については、どこにどれくらい防水材を塗るのかを決めるところでした。
よく左官屋さんがするように定規をあてて、慎重に決めました。
また、防水材の周りをしっかり馴染ませて、段差ができないようにすることも大切でした。
屋上の水溜まりは、どうしてもできてしまうものと考えたほうがよく、水溜まりの大きさが10~20cm程度なら、すぐ乾くのでそれほど問題はありません。
しかしこれより大きな水溜まりができる状態は、補修をしたほうがよいです。
水溜まりがずっとある状態だと、屋上防水が傷みやすいためです。
また、複雑な配管周りは、雨が入りやすい箇所です。
雨漏りの原因が分からない時は、疑ってみましょう。