施工事例
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屋上の防水工事で雨漏りを止める|笠木下端へのシーリング処理などがポイント 奈良市
2024.04.30
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before
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after
地域 :奈良市
建物の種類:鉄骨2階建て
築年数 :約40年
施工箇所 :屋上部
工事の種類:防水やり替え
広さ :約60㎡
作業人員 :約15人工
基本情報
- 工期
- 約1週間
施工内容
- 既存防水層をめくる
- 笠木下端をシーリング処理する
- 屋上の土間コンクリートを補修する
- 屋上の立ち上がりを補修する
- 改修用ドレーンを取り付ける
- 屋上に通気シートを張る
- ウレタン防水材・トップコート材を塗布する
お付き合いのある設計事務所様の知り合いのお宅にて、「雨漏りが発生している」とご相談をいただきました。場所は奈良市です。
屋上には、加硫ゴム系シート防水が施されていました。経年劣化により、剥がれている箇所が多く見られました。
加硫ゴム系シート防水は、昔よく使われていた防水工法です。今はほとんど、使いません。
加硫ゴム系シートは薄くて軽いぶん、破けやすいという特徴があります。
施工から10~15年経つと、徐々に硬くなり、シワができて破れたり剥がれたりすることが多いです。
今回のお家では、特に排水まわりのシートの劣化が進んでいました。雨漏りしている箇所の上部なので、この破損が雨漏りの大きな原因になっているものと判断できました。
その場で簡易的なシーリング処理を施し、後日見積もりを提出し、防水工事に至りました。
今回の屋上防水工事の流れ
それでは以下で、今回の屋上防水工事の流れを解説します。
【1】既存防水層をめくる
まずは、既存の防水層をめくりました。
めくってみたところ、土間コンクリートの劣化はかなり進んでいることが分かりました。表面がガサガサしています。
また今回のお家の外壁は、ALCです。
本来は立上り部分にあるパネルの目地部分がフラットになるように、カチオンなどを埋めて下地を整える必要があるのですが、この建物の立上り部分にはそういった下地処理がされていませんでした。
目地があるまま、シート張りが行われていたということです。
上記の場合、シートが目地部分で浮いている状態になるので、シートは劣化しやすくなります。
【2】笠木下端をシーリング処理する
笠木は綺麗なので、既存のものを使用します。
先述のように、ALCパネルの目地部分が適切に処理されていないことを鑑みると、笠木の下端処理も適切ではない可能性があると判断しました。
そのためシーリング材を用いて、笠木の下端を塞ぎ、雨水の浸入がないようにしました。
【3】屋上の土間コンクリートを補修する
先述したように、土間コンクリートは数箇所、劣化がかなり進んでいたため、カチオンフィラーを用いて平滑になるように補修しました。
【4】屋上の立ち上がりを補修する
屋上の立ち上がりも、カチオンフィラーを用いて補修しました。
【5】改修用ドレーンを取り付ける
排水も劣化していたので、改修用ドレーンの取り付けを行いました。
【6】屋上に通気シートを張る
屋上に、通気シートを張りました。今回の防水で採用したのは、「ウレタン通気緩衝工法」です。
防水層は一般的に建物の揺れに影響しやすいですが、通気シートを張ることで、揺れが直接防水層に伝わることを防ぐことができます。よって、防水層が破れにくいです。
また、脱気筒を付けることにより、防水層に溜まった湿気が(脱気筒から)抜けるため、防水層が傷まずに長持ちします。
通気シートのジョイント部に、ウレタン防水材を塗布しました。
立ち上がり部分はシートを詰めるのではなく、メッシュクロスを施工します。
【7】ウレタン防水材・トップコート材を塗布する
シートの上から、ウレタン防水材を塗布しました(2層)。
順番が前後しますが、上の写真は通気シート張りの後に取り付けた、脱気筒です。
トップコート材を塗布して、今回の防水工事は完了です。
ドレーンにゴミが入らないように、メッシュを取り付けてあります。
まとめ
今回の防水工事の結果、無事に雨漏りは止まりました。
お客様は、既存防水の劣化状況(ジョイント部分のめくれなど)について、当社の現地調査によって初めて知られたようで、とても驚いておられました。
そして今回採用した工法では、簡単に防水層がめくれることはないと知り、安心してくださいました。
ご相談頂いた設計事務所の方も、工法を含め安心して任せられる防水工事屋さんだとお褒めいただきました。
今回の工事のポイントは、笠木のシーリング処理です。取り合いの水切りにも、丁寧にシーリングを施しています。
加硫ゴム系シート防水は、ジョイントやドレーンから劣化が始まりやすいです。
10~15年経っていたら、まだ雨漏りがなくても、1度プロに見てもらうことをオススメします。