施工事例
works
庇(ひさし)が剥落して危ない!モルタルで補修してシリコン塗料で仕上げ塗装 堺市堺区
2025.03.07


-
before
-
after
地域 :堺市堺区
工事の種類:外壁補修
施工箇所 :外壁の破損部分(一部)
建物 :RC造2階建て
築年数 :約40年
作業人員 :約4人工
基本情報
- 費用
- 約9万円
- 工期
- 約3日間
施工内容
- 庇の破損部を撤去する
- 庇にプライマー材を塗布する
- 庇の破損部にモルタルを充填する
- セパ穴・クラックを補修する
- 補修箇所への仕上げ塗装を行う
堺市堺区Nビルのオーナー様から、「外壁の一部が剥落している」とご連絡をいただき、現地調査に伺いました。
NビルはRC造2階建てで、2階のサッシの上部に庇(ひさし)が設けられていました。
この庇もRC造ですが経年劣化が見られ、オーナー様の仰るように、一部が剥落している(そして剥落箇所が露筋している)ことが分かりました。
露筋とは、コンクリート内の鉄筋が腐食し膨らむことで、コンクリート浮かし、剝落して鉄筋が露出している状態になることです。
露筋を放置すると鉄筋の錆びはさらに進行し、庇がさらに落ちてくる危険性があります。
さらに建物の構造体の強度低下を招きます。
また、サッシ廻りを中心にクラックも複数見られ、セパ穴(コンクリートの打ちっぱなしの壁に規則的に並んでいる丸い穴)に詰めてあるモルタルが外れてしまっていました。
ビルの1階は店舗の出入り口であり、ビルには歩道が隣接しているため、人への被害(剥落した破片が当たるなど)が懸念されました。
ビルは全体的に劣化しているので、本来であれば大規模な補修工事を行うことが望ましいですが、オーナー様からのご要望があり、「破損箇所のみの補修工事」の見積書を提出して、工事に至りました。
庇の破損部のアップです。
割れている部分が、少し浮いてしまっており、新たな剥落の危険性がありました。
今回の外壁補修工事の流れ
それでは以下で、今回の外壁補修(一部)工事の流れを説明します。
1階の店舗の仕込みが15時から始まるため、作業は朝~15時までで行いました。
歩道の誘導も、しっかりと行いました。
【1】庇の破損部を撤去する
ハンマーなどを用いて、庇の破損部(落ちそうな箇所)を撤去しました。
中の鉄筋がサビている様子が分かります。
【2】庇にプライマー材を塗布する
サビをできるだけ金やすりで落としてから、プライマー材を塗布しました。
プライマー材には、サビ止め効果もあります。
【3】庇の破損部にモルタルを充填する
コテなどを用いて、庇の破損部に樹脂モルタル材を充填しました。
1度でベタッと塗ると、すぐに外れてしまうため、少しずつ塗り成形しました。
コテで面取り(角部分を落とす)も行いました。
【4】セパ穴・クラックを補修する
外れかけているモルタルは先に外して、空いているセパ穴に樹脂モルタル材を充填しました。
クラックもプライマーを塗ってから、樹脂モルタル材で補修を行いました。
【5】補修箇所への仕上げ塗装を行う
仕上げ塗装の色を選定している様子です。
既存の塗装は全体的にツヤが飛んでしまっているので、塗った部分だけ違和感が出ることが少ないように、ツヤなしタイプがよいと判断しました。
面によって日焼けの具合で微妙に色が違うのですが、全体のバランスを見て違和感がない、塗料の色を選びました。
塗装の前には、必要箇所に養生を行いました。
まずは、白い微弾性フィラーを塗りました。
微弾性フィラーとは、外壁のひび割れを埋める下塗り材のことで、塗膜に弾性を持たせる効果があります。
塗装の範囲は、庇はすべての範囲・セパ穴は穴の直径より少し広い範囲・クラックはクラックが消える範囲です。
シリコン樹脂塗料を、2回塗りました。
以上の工程をもって、今回の補修工事は完了です。
まとめ
今回の工事の後、庇の新たな剥落は起きていません。
オーナー様は工事前、「1階は店舗だから(これ以上の剥落は)危ないな」と不安に思われていたそうで、今回の工事の結果に大変安心されていました。
今回の工事の範囲以外にも、クラックは多数見られたため、そう遠くないうちに全体のやり替えを行うことを提案しました。
今回のビルでは、庇の剥落が起きてしまっていましたが、クラックの段階で補修していれば、剥落を防ぐことができたかもしれません。
剥落したものがビルに出入りする人や、周辺の歩行者に当たると危険なので、「外壁にクラックを1つでも見つけたら」早めに業者に見てもらうことをオススメします。