施工事例
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2年前に塗装したのに雨漏りが発生!チェアーゴンドラでコスト面に配慮しながらしっかり補修 大阪市東成区
2025.06.13


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after
地域 :大阪市東成区
建物の種類:鉄骨5階建て外壁ALC
築年数 :約30年
施工箇所 :外壁一部
施工範囲 :約15㎡
作業人員 :約6人工
施工期間 :約3日間
施工内容
- チェアーゴンドラの設置
- クラック部の補修
- クラック部のシール仕上げ
- 換気・配管部分もシール仕上げ
大阪市東成区のマンションにて、最上階5階の1部屋で壁と天井両方から雨漏りしていると連絡がありました。
高所の防水作業では足場を組み上げるケースが多いですが、オーナー様は「もっと簡易的にやりたい」とご希望です。
マンションの管理会社より、チェアーゴンドラによる施行事例も紹介している弊社ヤマナミにご連絡をいただきました。
2年ほど前に足場を組んだ外壁塗り替え工事を実施済みのマンションで、塗装にはツヤが残っています。
写真にある5階のハッチから脚立にて屋上に上って現地調査したのですが、ただ塗料を塗っただけで下地の補修・シーリングは実施されていないことがわかりました。
下地のクラック以外に目地のシーリングやせがあり、これらを補修していないため2年でひび割れが起きている状態です。
上記の写真では縦方向のクラックが写っていますが、チェアーゴンドラによる施工時にはもっといろいろな方向にクラックが入っている状態が確認できました。
ALCパネルのつなぎめの目地シールも痩せています。
こちらは新築のままで、補修されていません。
外壁から出ているパイプ周辺、排水周りにもすき間やクラックが発生しています。
これらの箇所から雨漏りが起きている状態です。
今回の外壁補修工事の流れ
今回東成区のマンションで行った外壁補修工事の流れを解説します。
1.チェアーゴンドラの設置
まずは補修するマンションにチェアーゴンドラを設置します。
チェアーゴンドラはALC(軽量気泡コンクリート)の壁に有効です。
左右移動ができないので今回のような部分的な補修に有効です。
外壁がALCの場合、屋上の「パラペット」という防水目的の壁の立ち上がり部分もALC素材になっていることが多く、あまり負荷がかけられません。
そのため重量のあるゴンドラは使えず、1人乗りで軽量のチェアーゴンドラが向いています。
チェアーゴンドラを設置する際は、外壁材や落下物による被害を防ぐために、ワイヤーでハッチ周りなどに固定してから設置をはじめます。
パラペット部分にあて木をして力を分散させ、負荷が一点に集中しないよう気を付けます。
2.クラック部の補修
チェアーゴンドラが設置出来たら作業開始です。
クラック部にプライマーを塗布した後、シール材を塗布します。
シール材は調色できないので、今回のマンションの色に一番近いブラウンのシール材を用意しました。
【3】クラック部のシール仕上げ
クラック部分にシール材を塗布したら、小さなコテで丁寧に延ばします。
今回はひび割れ部分をV字に切り取って充填するVカットは行わず、クラックに対して山になるように乗せてある程度の厚みを持たせて補修しました。
【4】換気・配管部分もシール仕上げ
外壁には、写真のように換気用の穴があります。
これをガラリといいますが、こちらはフードが付いていないタイプです。
フードを付けたほうが雨水の侵入をより防ぐことができますが、コスト面から今回はそのままとして、シール材にて補修しました。
上記のように、配管廻りにもシール材を隙間なくしっかりと塗布しています。
サッシ廻りもシール材を塗布します。
ここでは既存のシール材に新しいものを重ねる「増し打ち」で補修しました。
上記作業はチェアーゴンドラで全面をチェックしながら施工し、無事に雨漏りが止まりました。
今回のマンションは隣地が接近しており、お隣に敷地に入らせていただく許可が必要ですが、空き家で連絡がつきません。
管理会社のご担当者に連絡していただき、無事に許可をいただくことができました。
以上の工程をもって、今回の雨漏り補修工事は完了です。
まとめ
今回のようなピンポイントの補修であれば、足場を組まずにチェアーゴンドラによる作業で十分です。
塗装が劣化しているなら足場を組んですべて改修するのがおすすめですが、管理会社様は「2年前に塗装したばかりなのに…」というお気持ちがあり、コストを抑えられるチェアーゴンドラによる補修を行いました。
防水会社ではチェーゴンドラが一般的ですが、建設会社や塗装屋さんではあまり使いません。
管理会社にも専属建設会社があるようですが、足場を組んだ施工しかできないといわれ、足場を組まず作業できる業者を探していたようです。