施工事例
works
マンションのエレベーターピット内で1年以上溜水!防水・シーリングで対策 大阪市港区
2025.08.16


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before
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after
地域 :大阪市港区
建物の種類:マンション(RC造10階建て)
築年数 :約20年
工事の種類:防水・止水・注入・シーリング等
施工箇所 :エレベーターピット内など
施工範囲 :約17㎡
作業人員 :約17人工
基本情報
- 費用
- 約50万円
- 工期
- 約5日間
施工内容
- エレベーターピット内の溜水(ためみず)を汲み上げ
- エレベーターピット内の穴あけ
- 水反応型注入材の注入
- 下地調整材充填
- プライマー材の塗布
- 防水材塗布
- 外壁取り合い部シーリング処理
マンションオーナー様から「エレベーターピット内に水が溜まっている」とご相談をいただき、防水工事を施工した事例です。
マンションは築20年で、工事や補修をしたことはありません。
マンションオーナー様は、エレベーターピット内に1年以上前から水が溜まっていることを、エレベーター業者さんからの指摘で気づいたそうです。
しかし管理会社は対応できる防水業者をあまりご存じありません。
このようなケースは多く、マンションオーナー様はエレベーターピットの防水工事に対応している業者を探す必要があります。
施工業者が見つからずオーナー様はお困りだったようですが、弊社ヤマナミのホームページをご覧いただき、「エレベーターピットの事例がたくさんあったから」とお問合せいただきました。
エレベーター検査時に合わせてピット内の現地調査を行ったところ、上の画像のように、調査時点で15センチ程度水が溜まっていました。
エレベーターの外壁廻りもシーリングの劣化やクラックがあり、外壁廻りの雨水侵入や地下からの漏水、両方が影響して水が溜まっているようです。
オーナー様に見積書を提出し、日程調整して工事を施工いたしました。
1.エレベーターピット内の溜水(ためみず)を汲み上げ
まずは、汲み取り車でエレベーターピット内に溜まっている水を汲み取ります。
エレベーターピットは2mほどの深さがあります。
ホースをピット内に入れ、汲み上げる準備をしているところです。
作業員が溜水を汲み上げていきます。
これで溜まっていた水がなくなり、工事を開始できます。
2.エレベーターピット内の穴あけ
止水のための注入材を注入するために、エレベーターピット内に10センチ程度の穴をあけていきます。
今回は全部で30か所程度穴をあけました。
水がしみ出していそうなところを作業員が目視でチェックして、穴をあけていきます。
注入材を注入するところすべてに穴をあけていきます。
3.水反応型注入材の注入
穴をあけた部分に「水反応型注入材」を注入していきます。
水反応型注入材は水に反応して膨らむことで、内部を止水してくれる止水材です。
水反応型注入材は、画像のようにコーキングガンに充填して注入します。
工事初日に水反応型注入材を注入しましたが、翌日にも水がしみ出している部分があったので、追加で穴をあけて水反応型注入材を注入します。
穴あけ→水反応型注入材の注入は、注入によって漏水が止まるまで実施するため、何日かにわたって繰り返し施工するケースが多いです。
今回は2日で実施できましたが、現場によってはもっと繰り返すこともあります。
水反応型注入材の注入が終わりました。
画像の黒いものは目印です。
4. 下地調整材充填
エレベーターピット内全面に下地調整材を塗布します。
下地調整材を施工する高さは、地面の高さ(グランドレベル・GL)までです。
5.プライマー材の塗布
エレベーターピット内全体に、プライマー材を塗布しているところです。
6. 防水材塗布
プライマー材の塗布が終わったら、エレベーターピット内全体に防水材を塗布していきます。
防水材は2度塗りします。
防水材は2度塗りすることで、ムラなくきれいに仕上がります。
エレベーターピット内の防水工事の仕上がりです。
溜水があった部分も綺麗に仕上がりました。
7. 外壁取り合い部シーリング処理
エレベーターピット内の防水工事と並行して、屋外の外壁取り合い部も防水工事を施工しました。
屋外のエレベーター周りの路地部分は、雨水の侵入経路でもあります。
この部分にもすき間がありましたので、シーリング処理で雨水などの侵入を防ぐ工事を施工します。
シーリング処理は、床面と壁面の間すべてと立ち上がり部分10センチ程度に施工しました。
まとめ
工事の結果、雨漏りが止まりました。
オーナー様は今回のマンションを売却する予定があり、売却前に雨漏りを止めたいという背景があったため「これで売る準備ができた」と、オーナー様に喜んでいただけました。
エレベーターピット内の工事ですので、作業中はエレベーターを止めなければいけません。
今回のマンションは10階建てですから、できるだけ短い時間で実施できるよう気を付けました。
工事期間中は作業中の9:00~17:00はエレベーターを止めましたが、それ以外は使用可能です。
外壁廻りもしっかり確認して、見落としがないように処理を実施しました。
エレベーターの部品は、経年だけでなく錆で劣化したり故障したりするものです。
エレベーターピット内に水が溜まる状態にまでなると、エレベーター故障の原因となってしまうため、全体的な防水工事をご提案しています。
溜水が少しだと注入材だけで済む場合もあるので、「おかしいな」と思ったら、エレベーターの定期点検を待たず、少しでも早めに点検するのがおすすめです。