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エレベーターピット内で少量の漏水!早期対策でコストを抑える 京都市山科区

2025.10.20

エレベーターピット内で少量の漏水!早期対策でコストを抑える 京都市山科区
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地域   :京都市山科区
建物の種類:鉄骨8階建て
築年数  :約20年
工事の種類:止水・防水
施工箇所 :エレベーターピット
施工範囲 :約17㎡

基本情報

費用
約45万円
工期
約4日間

施工内容

  1. 現地調査
  2. 吸水シートにて水分・油分除去
  3. 止水処理
  4. 水反応型注入材の充填
  5. EVピット用の防水材塗布
  6. EVピット外側のシール処理

管理会社様から「マンションのエレベーターピット(以下EVピット)に溜水がある」とご連絡をいただき、調査と対策をご依頼いただきました。

今回は弊社ヤマナミで公開している、EVピットの事例を見つけてご依頼いただきました。
ヤマナミではEVピットの防水工事施工事例も豊富にございますので、興味がある方はぜひ他の事例もご覧ください。

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このマンションのオーナーは、管理会社様からの指摘でEVピットの溜水に気づいたそうです。
築年数は約20年ですが、防水工事などを実施した形跡はありません。

1.現地調査

こちらが溜水のあるとご相談があったEVピット内部の写真です。
現地調査や工事のタイミングで溜水はほぼありませんでしたが、多い時は床面から5cmほど溜まってしまうそうです。

水が溜まっている時と溜まっていない時があり、またエレベーターの機械の錆が少ないこともあり、お客様は長い間様子を見ておられました。

しかしたまにでも溜水が発生する状況は、エレベーターにとって良い状況ではありません。
早めに何らかの対策を取ったほうが良いことをお伝えしました。

現地調査後に弊社ヤマナミから見積書をご提出し、オーナー様のOKが出て工事に至りました。
今回は溜水や油分が少ないため、産廃業者への依頼は行わず、弊社にて吸水シートなどにて対応しました。

溜水や油分が多い時は、ポンプ車を所有している産廃業者に依頼しなければなりません。
しかし今回の状態なら弊社のみで対応できるため、その分費用を抑えることができます。

2.吸水シートにて水分・油分除去

早速、施工する時点でEVピット内にある水分と油分を除去していきます。
少量だったため、画像の吸水シートで吸い取ることができました。

3.止水処理

止水セメントを使い、EVピット内の止水処理を行っているところです。

こちらは床面と立ち上がりの入隅部分です。
こちらにも止水セメントで止水処理を施しています。

4. 水反応型注入材の充填

床面に、「水反応型注入材」を充填するための穴をあけているところです。
元々湿っていた入隅に重点的に穴をあけています。

「水反応型注入材」は水に反応して発泡して膨らむ性質があり、EVピットをはじめさまざまな建物部分の止水に有効です。

穴をあけた部分に、水反応型注入材を充填しているところです。10~20か所程度施工しました。

一般的に、水反応型注入材を充填すると中に溜まっていた水が出るので2~3回程度充填します。

しかし今回は1回目の注入を行った翌日に水が出て湿っていることもなかったので、1日で完了しました。

5.EVピット用の防水材塗布

次に、EVピット内の防水材を塗布する下準備として下地調整材を充填していきます。
塗布する範囲は床と壁で、GL(グランドレベル)と呼ばれる建物の基準となる地盤の高さまでです。

写真の注意書きされた黄色いステッカーは元々貼られていたもので、こちらはきちんと養生してから施工していきます。
最後に養生を剥がすので、このステッカーが埋もれることはありません。

壁全体に下地調整材を塗布しているところです。

次にプライマー材を塗布します。
こちらは下地調整材を塗布した床と壁の全面に重ねていきます。

下地調整→プライマー材と塗布できたので、ピット用の防水材を塗布していきます。

EVピット内に塗布する防水材は、きちんとピット用のものを使うことが重要です。
防水材といえばウレタン防水材がよく知られていますが、こちらは背面からの圧力に弱く、EVピット内への使用には向いていません。

EVピット内には様々な機械がありますから、その周辺も漏れなくしっかり防水材を塗りこんでいきます。

EVピット用の防水材は2度塗りします。こちらは2層目を塗布しているところです。

6.EVピット外側のシール処理

念のための防水対策として、EVの外回りにシール処理を行っていきます。
範囲としては、土間と外壁の取り合い部分・土間とコンクリート部分の取り合い部分の各3m程度です。

エレベーター周りは、取り合い部分に隙間ができやすくなっています。
外壁塗装は過去に施工されていますが、防水処理はされていなかったので、今回の工事で施工しました。

写真のような取り合い部分にシール処理を施し、隙間を塞いで防水対策を強化していきます。

これで工事は完了です。

機械周りにもしっかり防水材を塗りこみ、漏水・溜水対策を行いました。

まとめ

今回の防水工事を行って半年以上経ちますが、梅雨の時期を過ぎても溜水などの問題は発生していません。

オーナー様は不動産屋さんで建物構造はご存じではなく、EVピット内に水が溜まることがあると知らなかったそうです。

EVピット内の溜水を放置して進行してしまった場合、産廃業者に依頼してポンプ車で溜水や油を汲み取ってもらわなければなりません。
そうなると、当然その分の費用がかかります。

今回の溜水は吸水シートで除去できるほど少量だったため、費用を抑えることができました。

EVピットの溜水は、エレベーターの機械が傷む前に、とにかく早めに施工することが大事です。
エレベーターの点検業者からの指摘があれば、すぐに実施することをおすすめします。

別のお客様で、少し水が染みただけで防水工事を実施したことがありました。
着手が早いほど工程がシンプルになるため、その際も工事費を抑えることができています。

施工から「15年」ほど経過していれば、漏水がなくても前もって点検したり防水対策したりすると安心です。

⇒京都市山科区などで防水補修を行うなら『ヤマナミ』にお任せください