施工事例
works
解体計画を控えたRC造4階建てビルで漏水!コストを配慮しながら漏水対策 大阪市阿倍野区
2025.12.03
-
before
-
after
地域 :大阪市阿倍野区
建物の種類:RC造4階建て
築年数 :約40年
施工箇所 :1階天井部
基本情報
- 工期
- 約4日間
施工内容
- 点検口の設置
- 水反応型注入材の充填
- 止水処理
- ボード・クロスの貼り直し
「ビルの1階で雨漏り!「ブリッジ工法」で厚みのあるシーリングを打って解決 大阪市阿倍野区」などで何度か防水工事をさせていただいたビルのオーナー様から、漏水についてご依頼をいただいた事例です。
ビルは傾斜面に建てられており、1階部分はデイサービス業者様に貸し出されています。
今回は1階天井部からバケツで受ける程の雨漏りがあるということで、現地調査から行いました。
こちらのビルは2~3カ月前に確認して注入を行っておりますが、別の部分から漏水が確認されました。
これまでもこちらのビルはいろいろな所から雨水が侵入して雨漏りが発生しており、都度対処してきました。
しかし今回は、別の箇所から雨漏りが起きています。
天井をめくってみると天井裏が養生されていたので、昔から雨漏りがあったようです。
立地や増改築により侵入経路が判断できない雨漏りの場合、内側から補修するのが妥当です。
今回は、1階の漏水対策として補修工事を施工いたしました。
1.点検口の設置

新たに点検口を設置するために開口しているところです。

新たに点検口を取り付けることができました。
これで今後は、何らかのトラブルが起きた際にここから点検することができます。

雨漏りが起きているところを開口していきます。

少し白くなっており、雨漏りしていた跡が確認できました。

ここにはクラックも発生しており、水が出てきていることが分かります。
2.水反応型注入材の充填

水反応型注入材を充填するための穴をあけているところです。
今回は20か所ほど注入口をあけました。

水反応型注入材を充填しているところです。
水反応型注入材は水に反応して膨らむ性質を利用したもので、防水工事でよく使われます。

スラブ部分は2か所から水反応型注入材を充填しました。
3.止水処理

水反応型注入材の充填が終わったので、止水セメントで止水処理を行っていきます。
止水セメントは厚みを出し、山になるように盛って施工しました。

止水セメントを施工した部分です。
水反応型注入材の充填や止水処理の後は10日ほど雨漏りの確認を行い、漏水が止まっていることをしっかり確認してから仕上げに入る必要があります。
今回10日間の確認期間中に雨が降り、漏水が起きないかチェックすることができました。
4.ボード・クロスの貼り直し

雨漏りが止まったので、ボードとクロスを貼り直していきます。
画像は軽天下地材(けいてんしたじざい)というボードなどの仕上げ材を支えるための骨組みで、ビルの天井サイズに合わせてカットしているところです。

天井にボードを設置しているところです。

もう一か所にもボードを設置していきます。

必要な個所すべてにボードを設置していきます。

天井のクロスをめくっているところです。
今回はバケツで受ける程の雨漏りが発生しており、クロスも広範囲で汚れています。
そのため、今回ボードをめくった範囲よりも広範囲でクロスをめくっていきます。

クロスを貼った際にボードの目地やビスの頭が響かないように、練ったパテを塗っているところです。

パテ処理が完了しました。

新しいクロスを貼ったところです。
点検口が増え、クロスも綺麗になりました。
まとめ
工事の結果漏水は止まり、すでに3か月ほど経っていますが雨漏りは全く起きていません。
以前は雨が降るたびに漏水していたそうですが、しっかり改善できました。
雨漏りがひどい場合は外壁などから補修したいところですが、今回のビルは将来的に解体計画があり、それまで維持できれば良いというご依頼主様のお考えがあります。
コスト面も配慮して外壁は手を付けず、今回のような漏水対策となりました。
バケツで受けるほど雨漏りしている場合、しっかりした漏水対策が必要です。
しかし解体計画を控えている場合などは、それまでの対策として今回の方法がベストかと思います。
