施工事例
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雨漏りでビルのバルコニー防水と排水管の交換 大阪 (後編)

2015.12.23

雨漏りでビルのバルコニー防水と排水管の交換 大阪 (後編)
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※「雨漏りでビルの外壁塗装とバルコニーの下地処理 大阪 (前編)」の続きです。

排水管のまわりから雨漏り

前編の雨漏り原因で触れていた排水管ですが、原因は取り付け方が非常に悪かったからです。


排水管がパラペットに埋めてあります。

この状態では、どれだけ良い防水工事を行ったとしても、排水管から落ちてくる水の力で防水層がすぐに悪くなってしまいます。それだけならいいのですが、埋まってる為にメンテナンス性が悪く、防水層が悪くなってからの対処をしようがありません。

雨漏りを放置すると大変なことに


雨漏りによって室内の天井の下地木材が腐食しています。こうなっては、人体に害のあるカビが発生していてもおかしくありません。なにより、天井材を下地から貼り変える必要があるので、工期も長くなり工事費用も高くつきます。本当に雨漏りを放置しておいても良い事はありませんので、早めに対処される事をお薦め致します。

基本情報

費用
総工事費用150万円(後編は約100万円分)
工期
約30人工、約20日間

施工内容

  1. 排水管の撤去(パラペットに埋まってる分)
  2. ウレタンのジャバラドレン取付
  3. バルコニーにウレタン塗膜防水
  4. 内装の痛みが酷いところのみ張り替え

排水管の撤去


パラペットに埋まっている排水管です。
排水管の床側に穴が開いており、そこから排水できるようになっていますが、この部分から雨漏りをしていました。


排水管を切断して、パラペットの穴を樹脂セメントで埋めました。
これで、ここからの雨水の浸入を防げます。


排水管に雨水を流す為のウレタン製のジャバラドレンを取り付けました。
耳になっているウレタンシートの外側もシッカリと隙間の無いように塞いでいます。
これにより既存の錆びた部分からの雨漏りを防げます。


上記と同じようにウレタンシート付きのジャバラドレンを取り付けました。

バルコニーのウレタン防水塗装


ここから、バルコニーにウレタン塗装で防水処理をしていきます。
この青色のものがウレタン防水材で、写真中央の白いものがメッシュクロスです。
※メッシュクロスを入れることで、膜厚を確保して防水自体の補強もおこなっています。


ウレタン塗装1層目 → メッシュクロス → ウレタン塗装2層目 → ウレタン塗装3層目の流れで防水材を塗布していき、必要な膜厚を確保しました。これは3層目の写真です。


最後にグレーのトップコートを塗布して、バルコニー防水は完成です。

排水管の交換


5階バルコニーに付いている排水管を交換しています。
写真に写っているジャバラは、バルコニー防水を行う前に取り付けたウレタン性ジャバラドレンのものです。


パラペットに埋まっていた排水管を交換しました。


排水管を交換してから後々のメンテナンス性を考えて延長しました。


真下に雨水が落ちていたのを前に流れるようにしました。
これにより、ドアの隙間から雨水が入るのを気にしなくて良くなりますし、雨水の落ちる音も軽減されます。


更に別の箇所の劣化していた排水管を交換して、排水口にダイレクトに流れるように向きを変えました。


最後に排水受け皿の交換をして排水管の交換は完了です。
排水受け皿に関しては、壁との密着面から雨漏りする事が多いので、排水受け皿の取り付け時にもシッカリと防水を施しておきました。先ずドリルで外壁に穴をあけて、穴の中に樹脂を注入します、その中に更にアンカーピンを入れてからアンカービスで排水受け皿を付けます。最後にビスの頭に樹脂を塗って隙間を無くします。

内装の下地補修


5階の雨漏りしていた箇所の状態です。
木が腐っていてボロボロです。


内装下地を補修していきながら、サーモセンサーにて防水工事後に雨漏りが無いかの確認を行っています。


内装下地を交換した箇所の写真です。


内装下地の隙間をクロスパテで埋めています。
※クロスパテとは、セメントペーストで隙間を埋めることです。これをすることによってクロス張り替えが行いやすくなり、張り替え後の仕上がりが綺麗になります。


下地補修を終えてから補修した部分のみクロス張り替えを行いました。


天井の雨漏りしていた箇所の状況です。
下地材が腐食しており、天井材が水を吸った影響でたわんでいます。


天井も急ぎで補修が必要だった箇所のみ天井材を張り替えました。
これで、内装の下地補修は完成です。

今回の工事はこれで全て完了です。

今回利用した材料などの紹介

<メッシュクロス>
ウレタン塗膜防水を施す際に、防水層の補強と必要膜厚を確保するためにウレタン塗装材の中に入れる補強材です。

<アンカーピン>
外壁タイルの浮き防止にも利用されるもので、外壁の穴に差し込んで利用するものです。
ネジでいうメス側になっており、これを使うことでビスのみで取り付けた状態よりも固定強度が上がります。

<ウレタン塗膜防水材>
今回用いたウレタン塗膜防水材は青色になっていましたが、青色がウレタンの色というわけではありません。
この色はメーカーや品名によって、青や緑など様々な色が付けてあります。
色がついている理由は、トップコートが灰色が多いので、同じ色だと塗り忘れがおこる可能性があり、それを防ぐ為に色が付いています。

ヤマナミから一言

このFビルの場合、色々な要素が絡み合って雨漏りしていたので、防水専門業者でないと雨漏りが止められない建物でした。まさか、邪魔にならない様に埋められた排水管が原因で雨漏りしているなんて想像できないと思いますし、バルコニーに水が溜まる原因が逆勾配になっていて、水が溜まることによって防水層が劣化するなんて想像もできないと思います。塗装させ行えば雨漏りは止まるだろう、と思う方も多いかもしれませんが、それで止まる雨漏りは本当に極わずかです。

防水工事は、何が原因で雨漏りしているのかを突き止めないといけないので、専門知識が必要になってきます。また雨漏りを止めた後の対策も重要になってくるので、建物の寿命を長く持たせたいとお考えであれば、どんな小さな雨漏りでも、防水工事を専門に行っておられる業者に相談される事をオススメ致します。

ヤマナミは防水工事専門業者として大阪でさせていただいてます。
大阪でビルの雨漏りでお悩みの方はお気軽に御相談ください。