施工事例
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京都の鉄骨造3階建ての屋上防水にFRP防水通気緩衝工法
2016.02.13
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今回、業者様からのご依頼で京都府にある築年数30年ほどの鉄骨造3階建ての屋上にFRP防水の通気緩衝工法で屋上防水工事を行いました。
屋上防水の理由
現状の防水工法は加硫ゴム系シート防水の密着工法がされていました。この防水層を調査すると、全体的に硬化をしており、破損や膨れを起こしている箇所も多数ありました。また、屋上の端の方に関しては加硫ゴムシートが捲れるように持ち上がっており、防水機能を果たしていなかったのです。
加硫ゴム系シート防水の弱点は、期間が経過すると徐々に硬化してきて、シートの繋ぎ目が捲れたり破損しやすいことがあげられます。したがって、この繋ぎ目から雨漏りがしやすいのが弱点です。その為、今回は繋ぎ目がないシームレスな仕上がりになる、FRP防水通気緩衝工法を採用しました。
FRP防水通気緩衝工法について
FRP防水の特徴はなんといっても、強度が非常に高く軽量であるところです。
FRP防水は、強度が大きく耐久性に優れたFRP(繊維強化プラスチック)を防水分野に応用した工法で、軽量かつ強靭で耐水性・耐食性・耐候性に優れていることが特長である。特に、軽量かつ強靭であるという特長から、屋上の防水として適用した場合、防水層の上にトップコート仕上げを行う露出仕様でも人の歩行が可能となる。通常、屋上を人の歩行用に供する場合は防水層の上にコンクリート層を設けたり、あるいはタイルのようなもので仕上げる必要があるがFRP防水の場合は、そのような保護層は不要となる。
出典:ウィキペディアのFRP防水ページ
このようなFRP防水のメリットは上述の通りですが、逆にデメリットもあります。
それは、クラックが防水層に入るとまるでガラスが割れたようにパリっとキレイに割れてしまう事です。
こうなった時は再びFRP防水層をつくりなおすしかありません。
ただ通気緩衝工法は、FRP防水の天敵となる割れを防いでくれます。
防水層にクラックが入る原因は、下地のコンクリートなどの割れに追従して割れることがほとんどです。
ただ、通気緩衝工法ではこの原因による割れを防いでくれます。
もちろん、それだけじゃなく、万が一の防水層が破損して雨水が入った時にも威力を発揮します。
このように、膨れの原因の水分を外部に出したり、通気緩衝シートによって割れを防いでくれます。
基本情報
- 費用
- 約130万円
- 工期
- 約20日間、約40人工
施工内容
- 加硫ゴム系シートの撤去
- 下地としてカチオンフィラーを左官処理
- プライマーの塗布
- 脱気筒の設置
- 通気シート貼りつけ
- FRP防水層形成
- トップコート塗布
加硫ゴム系シート防水の撤去
既存の加硫ゴム系シートを撤去しています。
撤去した後の写真です。
サビ色みたいになっているのは、加硫ゴム系シートを貼りつけする時の接着剤が劣化してこのような色になっています。
ポールが経っているところの周りは少々サビも含んでいます。
FRP防水下地の作成
目地やクラックに対してコーキング処理を施した後に、カチオンンフィラーを使って左官処理を行っています。
左官処理が終わった後です。
これはFRP防水層を作る上で非常に重要な下地を作る作業です。
もし、加硫ゴム系シート防水を剥がした後にそのままやってしまうと、FRP防水が長持ちしません。
FRP防水の形成工程
防水層下部などに入りこんだ湿気を取り除ける脱気筒を設置します。
写真が無いのですが、通気シートを貼りつける前に、通気シート用のボンドも塗布しております。
その後で、通気シートを貼っています。
通気シートの貼りつけ完了です。
通気シートの穴の部分を塞ぐ為の目止め材を塗布していきます。
FRP用の改修用ドレンを取りつけました。
樹脂を含ませながら、FRP層を形成していきます。
FRP層の形成が完成しました。
FRP防水用のトップコートを塗布しました。
<ヤマナミから一言>
この屋上は、一度防水をリセットしてイチからキレイな状態にしたいという要望があったので、FRP防水をさせていただきました。
その為少し費用が掛かったのです。
もし、費用を安くしたい場合は既存の加硫ゴム系シート防水の上から行える、塩ビシート防水などもあります。
お客様の要望や屋上の下地の状態を考えながら適切な提案をして、納得いただいた上で長持ちのする防水工事を行わせていただいております。
京都で屋上防水工事を考えている方は、株式会社ヤマナミにお気軽にご相談ください。
相談は無料です。