施工事例
works
外壁のクラックと欠損を補修 大阪市東住吉区
2016.07.29
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外壁のALCパネルの欠損は危険
今回は前回の続きの工程となる外壁補修です。
このTビルの外壁は、ALCパネルで構成されており、パラペットだけコンクリートになっています。
その為、部位によって割れ方が違うのですが、特にALCパネルの割れはとにかく最初から大きくなりやすく、コンクリートみたいに鉄筋が入っているわけでもなく、深いところまであるわけではないので、非常に剥落しやすいのが特徴です。
ちょっとした欠片であっても、高いところから落ちると、下の通行人に当たった場合は怪我を負わせてしまいます。
その為、ALCで割れが発生した場合は、早急な補修が必要なのです。
クラックと欠損の違い
外壁の割れにはクラックと欠損の2種類があります。
簡単に違いを言うと、クラックのより大きいものが欠損です。
また、雨漏りという観点においても、クラックは小さなヘアークラック程度で雨漏りしない事も多いですが、欠損となると剥がれ落ちるぐらいに奥まで欠けるという事なので、欠損をしてしまったら確実に雨漏りまで繋がってしまいます。
また特徴としてはRC造などの建物の場合に起きやすいのはクラックです、よほどでもない限りは欠損まで到達しません。
しかし、ALCパネルを用いた鉄骨造の場合は、上記でご説明したように、パネルの厚みの都合上、高確率で欠損ができます。
外壁の厚みがRC造よりも薄い事から、表面が割れただけでも奥まで行きやすいのです。
またクラックと欠損は根本的に補修方法も異なってきます。
それは、外壁の補修工程で詳しくご説明いたします。
施工内容
- 調査
- クラックのVカット
- クラックの清掃
- クラックにプライマー材
- シール材の充填・仕上げ
- 樹脂モルタル成型・仕上げ
- 欠損部のハツリ・清掃
- 欠損部に樹脂モルタル充填・仕上げ
外壁のクラックと欠損の補修工程
調査段階ですが、下から上まで続く多きな欠損およびクラックが発生しています。
写真左側はRC部分のクラックです。しかし写真中央にある隙間はRCとALCパネルの隙間で、完全に大きな空洞となっています。
髪の毛程のヘアークラックが多数あり、マーキングしています。
ヘアークラックの中にカチオンフィラーが入るようにハケで刷り込んでいます。
これは、ALCパネルですが、まだ細いのでクラックと言ってよいものです。
ALCパネルは小さなクラックであっても基本的には奥まで到達しているので、Vカットを行います。
Vカット後は粉っぽくなるので、必ずハケでキレイに清掃を行います。
プライマー材を塗布してシーリングの接着性および密着性を上げて簡単に破断しないようにするための大切な工程です。
プライマーを塗布したクラックに対して、シーリング材を充填します。
通常よりは少し少な目のイメージです。
シーリング材の充填後に押え仕上げを行いました。通常よりは壁より内側になるように仕上げを行っております。
理由はこの後で樹脂モルタルにて成形をするからです。
シーリング材の上から樹脂モルタルを入れて、シッカリと成形を行います。
この後から塗装を行うので、穴がなくなってフラットになるように仕上げを行いました。
ここからは欠損箇所の補修工程に入ります。
欠損箇所をVカットしてしまうと、欠片が剥落してしまう恐れがあるので、少しづつハンマーで砕いていきます。
砕いた後に欠片が残らないように、しっかりとハケで清掃します。
清掃後は樹脂モルタルを充填します。
バックアップ材という硬めのスポンジみたいなものを使って、外壁面とフラットになるように仕上げていきます。
しっかりと外壁とフラットになるように成形できれば、欠損部分の補修は完成です。
今回はあくまでも補修工程となります。
スプレー後や樹脂モルタルなどの広がった後が目立ちますが、この次の工程で外壁塗装を行うので、このようにしています。
ただ今回は外壁のクラックと欠損の補修でしたので、事例としてはこれで終了です。
外壁のクラックと欠損補修を終えてヤマナミから一言
ALCパネルを用いた外壁に関しては、本来クラックは入りにくいものなのですが、築年数が古い物の場合、コンクリートブロックのような穴が繋ぎ目のところに空いており、その中にコンクリートを流し込んで止めている事から、横揺れなどに追従する力をあまり持っていません。
また繋ぎ目のALCパネル自体が薄い事もあり、比較的割れが発生しやすくなっています。
最近のALCパネルはそうではありませんが、古いALCパネルで施工されているビルの場合などは同じような欠損などで悩まされている方も多いと思います。
ただ、欠損箇所の欠片の欠落などをしてからでは遅いので、早め早めに外壁補修を行う事をお勧めいたします。
大阪で外壁のクラックや欠損の補修をお考えの方、ご相談したい方はヤマナミにお気軽にご連絡ください。