施工事例
works
ビル屋上の雨漏り原因箇所のFRP防水10㎡分を部分補修 大阪市東住吉区
2017.01.27
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今回は、『大阪市東住吉区にある、築30年の鉄筋4階建てのビル屋上のFRP防水について部分的な補修工事を施工した事例』です。
10年ほど前に防水工事させていただいたお客さまから、「防水層が傷んできている、屋上の防水層の下に水が入って膨らんでいる」とのご連絡がありましたので、調査させて頂き、破損部分を中心としたFRP防水の部分的な補修を提案し、下地処理と新たにFRP防水工事を施工しました。
防水層の下に水が入った原因は取り合い部のシーリングの劣化
調査のために屋上に上がると、屋上に出る扉の前の防水層が膨らんでいました。
そこで、扉の取り合い部を確認すると、シーリングが破損しており、取り合い部の下の立ち上げ部の防水層にも劣化が見られました。
おそらく、この扉の取り合い部のシーリングの劣化によりできた隙間から侵入した雨水によって、防水層の下に水が入ったと考えられました。
なぜ、防水層の下にまで水が入ったかというと、取り合い部に取り付けられた水切りの付け方が良くなく、形状的に水が下に流れるようになっていたために水切りの境目部分から雨漏りが発生していたと考えられます。
本来は水が下に流れないような形状にしないといけませんが、矢印の方向に水が流れていましたので、水切りを後から取り付ける等、別々に工事されたのではないかと思います。
なお、取り合い部のところのシーリングは10年が経過していて、経年による劣化が徐々に広がったものと考えられます。
基本情報
- 費用
- 約15万円
- 工期
- 約6人工・約4日間
施工内容
- 屋上のFRP防水層の調査
- 既存のFRP防水層の膨れ部分捲り
- 研磨処理
- 下地調整
- 下地調整部分の周囲のパテ処理
- プライマー材塗布
- ガラスマット貼り
- FRP樹脂材塗布(1~3層目)
- トップコート材塗布
- 扉の取り合い部のシーリング処理
ビル屋上のFRP防水の部分的な補修の工程
FRP防水層の下に水が入って、膨れている部分を中心に、以下の流れでFRP防水工事を施工しました。
また、最後に、水が入る原因となった扉下の取り合い部のシーリングの劣化も補修しました。
屋上のFRP防水層の調査
防水層の下に水が入っていたため、踏むとブヨブヨした感じで水が入っているのが分かるような状態でした。
このように水が入った部分が数箇所かあり、合計で約10㎡の補修を行うことにしました。
既存のFRP防水層の膨れ部分捲り
FRP防水層の膨れている部分を捲りました。
捲った部分の白くなっているところが水の跡で、膨れている部分よりも広めにカッターで切って捲っています。
立ち上がり部の防水層を捲りました。防水層を捲った後は、基礎の部分が出てきました。
この基礎の部分にはウレタン防水が施工されていましたが、かなり劣化していました。
ちなみに、黄色い線は防水層を切るために使用したサンダーの電源コードです。
膨れた部分を中心に防水層を捲っていきましたので、きれいな部分を極力残しています。
また、きれいな部分は防水層がしっかりと付いていますので、なかなか捲れない状態にもなっています。
研磨処理
防水層を捲ったところ全体に研磨処理を行いました。
研磨は手作業で、捲った後に残った防水層等の部分を研磨していきます。
下地調整処理とその周囲のパテ処理
研磨処理を行った後は、下地調整を行い、その周囲にパテ処理を行いました。
写真のグレーになっている部分が下地調整を行った部分です。
パテは捲らずに残している既存の防水層に水が入らないように斜めに塗っています。
プライマー材塗布
プライマー材は、防水層を捲った部分の全体に塗布しました。
ガラスマット貼り及びFRP樹脂材塗布・脱泡処理
ガラスマットは防水層を捲った部分の全体に貼り、FRP樹脂材も防水層を捲った部分の全体に塗布しました。
また、脱泡処理は専用ローラーをかけて空気を抜いていく作業で、FRP樹脂材を引っ張らないようにアセトンを染みつけたローラーで全体的にかけていきます。
FRP樹脂材塗布(2~3層目)
FRP樹脂材の2層目と3層目を塗布しました。
3層目の樹脂材には専用のトナーを混ぜて着色しています。
トップコート材塗布
仕上げにトップコート材を塗布しました。すでに乾いている状態です。
屋上の扉の取り合い部シール処理
扉の取り合い部にシーリング処理を施工しました。
雨漏りもなく防水層の劣化も一部だったため部分的な補修で対応
今回、屋上のFRP防水の補修を部分的に行ったのは、お客様からのご要望もありましたが、実際に調査を行った結果、特に雨漏りもなく、水が入って膨らんでいた防水層が一部で他の部分がしっかりしていたからです。
また、水が入った原因も、すぐに取り合い部の水切りとシーリングの劣化ということが判明したということも理由の1つです。
この取り合い部の水切りについては、専門の業者が見ないとなかなか分からないと考えます。
部分補修では、水切り自体は触っていませんが、水切りの上のシーリングをやり替えていますので、水が入らなくなったと思います。
さらに、以下のような工夫もしています。
・既存のFRP防水層と新しく塗布した防水層との段差をなくしてフラットにした
・パテも斜めにして内側に傾斜するようにした
パテを塗ることによって、ガラスマットを貼ったことによる段差を平滑にしやすい効果があります。
屋上をFRP防水するときには、全体をやり替えることの方が多い理由は、10年保証がつくためですが、今回のように部分的な補修で対応することも可能です。
FRP防水の防水層の下に水が入ってしまっていたら、すぐに工事をした方が良いので、まずは専門業者に調査をご依頼されることをお勧めします。
大阪でビル屋上のFRP防水の部分補修はヤマナミへ