施工事例
works
ひび割れを放置し大きく破損したモルタル外壁を部分補修 高石市
2017.03.21
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今回は、『大阪府高石市にある、築40年が経過した木造モルタル2階建ての一戸建ての外壁をモルタル塗装仕上げで部分補修した事例』です。
ホームページから新規のご依頼があり、「外壁がひび割れて破損している」との事で現地調査を行いました。
ご依頼者様から、部分的な補修のご要望がありましたので、下地にラスカット材を使用して、ひび割れ(クラック)が発生している部分のみを補修しました。
外壁のひび割れは塗装だけでは補修にならない
外壁はモルタル塗装仕上げでしたが、ひび割れが多く発生していました。
ご依頼者様は、以前に別の業者さんに外壁の塗り替えをされていたようですが、それではひび割れそのものはなくなりません。
結果的に、そのひび割れを放置していたために、モルタルが膨らみ、剥がれ落ちて穴があいているように見える部分もありました。
また、大きく破損しているだけでなく、外壁の内側にも水が回って漏水している状態でした。
かなり劣化している状態でしたので、全体の改修をお勧めしましたが、あまり長くお住まいになられないとの事で、ご依頼者様が部分的な補修をご希望されたため、部分的な補修工事として、外壁の下地の補修と塗装仕上げを行いました。
基本情報
- 費用
- 約40万円
- 工期
- 約1週間・約12人工
施工内容
- 外壁のひび割れ(クラック)調査
- モルタル捲り
- 外壁の下地のラスカット材貼り
- シーリング処理
- 外壁の下地の左官処理
- モルタル外壁の下塗り
- モルタル外壁の中塗り
- モルタル外壁の上塗り
モルタル外壁の下地補修と塗装の工程
ひび割れと破損が発生していたモルタルの外壁は、外壁の表面だけでなく、下地からの補修が必要な状態でしたので、以下の流れで下地の補修と外壁の塗装を行いました。
モルタル外壁のひび割れの調査
モルタル外壁のひび割れが発生している部分の調査を行ったところ、完全に割れてしまっている状態でした。
原因は、ひび割れの放置によって水が回ったことだと考えられます。
築20年くらいが経過したときに、外壁の塗装を1度されていたようですが、外壁の内側にも水が入って漏水していました。
写真のひび割れが灰色になっているのはコーキングによる補修の後で、割れたときにオーナー様がご自身で補修されたもののようですが、完全に補修できていませんでした。
モルタル外壁は、重みがそこまでない施工方法ですが、ひび割れを放置していたために大きな破損になっていました。
モルタル外壁を捲る
外壁を補修するために、ひび割れが発生していた部分のモルタル外壁を全て捲りました。
モルタル塗装の外壁を捲ってみると、外壁の内側まで水が回っていて、ルーフィングもボロボロになっていました。
なお、外壁は金槌で剥がしていきました。
外壁の下地にラスカット材を貼る
劣化していたモルタル外壁の下地には、ラスカット材を使用しました。
ラスカット材は、地震に強い特徴があり、水が入っても漏水しにくい下地材です。
これまでのモルタル外壁の場合は、バラ板にルーフィングを貼ってモルタルを塗っていましたが、現在ではこのラスカット材を貼る工法が主流となっています。
モルタル外壁の補修する部分の形と大きさに合わせてラスカット材をカットして貼り、ビスで止めていきました。
外壁の下地部分のシーリング処理
シーリング処理を行わないと、ラスカット材の境目から水が入ってくるため、貼ったラスカットの間にシーリング処理を行いました。
シーリング材には、モルタル用のものを使用しています。
補修していない既存の外壁との境目も水が入らないようにシーリング処理を行いました。
外壁の下地の左官処理
ラスカット材を貼ったところと既存の外壁には、厚みの差が1cmくらいありましたので、左官処理を行い、同じ厚みになるように調整しました。
下地にラスカット材を使用しているため、通常よりも厚く塗らなくても問題ありません。
厚く塗らなくても良い分、軽くなるため、建物への負担が減ります。
また、左官後は左官した部分を乾かす必要がありますが、半日程度で乾きました。
外壁の左官部分への下塗り(マスチック)
左官したところに、シーラー材を塗ってからマスチックを塗布しました。
白くなっている部分が塗布した部分で、左側が左官した部分です。
モルタル外壁の下塗り
補修した部分の外壁に下塗り材を塗布しました。
既存の外壁が白色で、玉をふいたような柄でしたので、マスチックとローラーを使用して似たような柄を作りました。
既存の外壁と同じ施工をすると費用がかかるため、このような施工を行いましたが、外壁の持ちに差はありません。
モルタル外壁の中塗り
下塗りを行ったモルタル外壁に中塗りを行い、色付けを行いました。
モルタル外壁の上塗り
最後に上塗りを行い、施工完了です。
既存の外壁と補修した外壁では、下塗りのときの施工方法が違いますが、パッと見た感じでの違いは分からないように工夫して仕上げています。
建物の耐用年数と費用を考慮して部分的な補修を施工
今回のひび割れの補修では、約70㎡の壁を補修しました。
ひび割れは、入り口がある壁以外の3面全てに発生していましたが、ラスカット材を貼っているので一時的には問題ありません。
ただ、外壁をめくってみると、下地や柱の根元も腐ってきているような状態で、完全に補修するには建て替えをしないといけないような状態でした。
ラスカット材を使用することで壁で建物自体を持たせるように補修を行いましたが、長く住まれる場合には全面的な補修を行うことをオススメします。
また、2階部分の外壁にもひび割れがありましたので、はしごを使ってシーリング処理を行っています。
今回はひび割れを放置していたことが問題でしたが、ひび割れができた時点でVカットして補修しておくことで、外壁の破損を防ぎ、下地などの劣化を防ぐことができます。
大阪でモルタル外壁のひび割れの補修工事はヤマナミへ