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ルーフバルコニー庭園からの雨漏りを防水工事で解消 大阪市天王寺区

2017.04.27

ルーフバルコニー庭園からの雨漏りを防水工事で解消 大阪市天王寺区
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『オフィスビルのルーフバルコニー庭園の防水工事を行った事例』です。

 

ルーフバルコニーから階下の倉庫への雨漏り

以前よりお付き合いのある業者様からのご依頼で、大阪市天王寺区のMビル様の防水工事をさせていただきました。

現地確認に伺うと、3階の倉庫の天井から漏水があり、保管されていた書類や段ボール箱に濡れた後がありました。

倉庫の上は4階のルーフバルコニーになっており、そこからの漏水とみて間違いない様子でした。

防水が劣化しやすいルーフバルコニー庭園

4階のルーフバルコニーは、玉砂利や大きめの岩が配置され日本庭園風にあしらわれていました。重い石が床面を圧迫し、竹水栓も設置されており、常に水が流れている状態だったので、防水層が劣化しやすい状態だったようです。

ビルの所有者様も原因に気付いておられ、以前ウレタン防水工事を行ったそうですが、再び雨漏りするようになったとのことでした。

 

ウレタン塗膜防水層は膨れて防水機能を失っていた

保護シートを捲くると既存のウレタン防水膜はブヨブヨに膨れている状態でした。

膨れて浮き上がっている部分以外は防水が機能していましたが、ぶよぶよに浮き上がっているところは防水機能を失っており、雨漏りの要因の一つとなっていました。

基本情報

費用
約20万円
工期
約1週間、約12人工

施工内容

  1. 保護シートを捲る
  2. 汚れを洗浄
  3. 既存ウレタン劣化部捲り
  4. カチオンフィラー下地処理
  5. ドレーン取り付けと隅部面取りシーリング処理
  6. プライマー材塗布
  7. FRP樹脂およびガラスマット貼り
  8. FRP樹脂上塗り(3層)
  9. FRP樹脂研磨処理
  10. トップコート材
  11. 床部保護防水シート貼り

今回のルーフバルコニー防水工事の工程

庭園の大きな岩や、玉砂利はあらかじめ片付けられていたので、既存防水の交換のみを行いました。

 

1.保護シートを捲る

 

防水層を保護していたクッションシートを、ケレン棒やスクレーパー、カッターナイフなどの道具を使ってはがしていきます。

 

2.汚れを洗浄

 

クッションシートをはがした後の、防水層の表面を水を掛けながらブラシで掃除しました。

残っていた砂利も取り除きました。

 

3.既存ウレタン劣化部捲り

 

ウレタン塗膜防水の劣化してブヨブヨになった部分を取り除きます。

膨れて浮いていない部分はまだ防水が機能しているので残しました。

 

4.カチオンフィラー下地処理

 

凸凹になった床部分をカチオンフィラーで平らになるように整えます。

 

5.ドレーン取り付けと隅部面取りシーリング処理

 

排水溝にドレーンを取り付け、立ち上がり部の隅部に面取りシーリングを行いました。

面取りシーリングとは、隅部の角をシーリング材で丸くなるように埋める作業です。曲面のほうが今回使用するFRP防水工事をしやすいからです。

 

6.プライマー材塗布

 

防水加工をしやすくするプライマー材を塗布します。

 

7.樹脂とガラスマットを合体させて防水層を形成

 

ガラスマットに樹脂をしみこませながら床面に貼り付けていきます。

FRPは樹脂とガラス繊維などと混ぜて使用する、軽く硬く耐久性の高い素材で建材や自動車の内外装、浴槽の製造など幅広く用いられている素材です。

前回のウレタン防水だと、庭園の砂利の重みに耐えられなかったので今回はより強い素材を用いることにしました。

気泡が入ると割れる原因となるので、脱泡ローラーで気泡を取り除きます。

 

8.FRP用ポリエステル樹脂の重ね塗り

 

FRP防水層の表面に樹脂を3層にわたって重ね塗りします。最後の面のみトップコート材を塗布した際の見た目が美しく仕上がる色つきのものを使用します。

FRPに用いるポリエステル樹脂は、ウレタンなどとは異なり、季節ごとの商品の使用や溶剤の配合により凝固時間を変えることができます。

 

9.FRP防水層の研磨処理

 

FRP防水形成後は凹凸があります。

そのため凹凸の上にトップコートを塗布しても、平滑にならないので、FRPが固まった後に表面を平らにするためグランダーで研磨します。

 

10.トップコート材

 

ガラスマットで床面が高くなったので、養生テープの位置を貼り換え、研磨したFRPの上からトップコート材をローラーで塗ります。

 

11.床部保護防水シート貼り

 

トップコート材が乾いた後、厚手のゴム製の保護防水シートを張り、最後に排水溝に砂利が流れないようにストレーナーをとりつけました。

 

まとめ

オフィスに癒しの景観をもたらすルーフバルコニー庭園ですが、床面の防水を怠ると雨漏りや建物の劣化の原因となり、思わぬ損害を生む原因になり得ます。

今回のように、重いものを配置していると、コンクリートがヒビ割れやすくなり、防水層も劣化しやすくなるので置くものにも注意が必要です。

雨漏りしてしまってから、ヒビ割れを防水層で覆っても防水層の経年劣化によりまた漏水する恐れがあります。

ルーフバルコニーや屋上、ベランダにお庭を造る場合、あらかじめ防水処理について業者に相談されることをおすすめしております。

 

大阪市天王寺区のルーフバルコニー庭園のFRP防水工事ならヤマナミへ